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第941話

夜もレストラン行くんだよな? やっぱりこいつ、俺のことになると金銭感覚バグってるだろ…。 夏月に見守られながらプレゼントを探していると、俺の仕事用の鞄の中にそれらしきものが…。 「これ?」 「正解。開けてみて?」 包装紙を開けると、名刺入れ。 黒い革製のしっかりしたデザインで、これも俺好み。 「綾人さんの名刺入れ、結構年季入ってるから。思い出のものだったらありがた迷惑かなーと思ったんですけど、もし良かったら使ってください。」 「ありがとう。普通に使い古してるだけだし、これ使う。」 「本当?よかった…。」 安心したように笑う夏月。 もしかして、俺が喜ぶか不安だったからこんなに何個も? バカだな…。 夏月からプレゼントされたら、なんでも喜ぶに決まってんのに…。 「あと2つ?」 「うん。ちょっと見つけにくいかも。」 「えー。じゃあヒントくれよ。」 「んー。綾人さんが好きなもの…とか言ったら怒りそうだな〜。」 「?」 「それがヒント。」 俺が好きなもの…。 かつ、好きって言ったら俺が怒る…? 「……ムズイ。わかんねぇ。」 「えー?じゃあ綾人さんの好きなもの言ってみて?」 「俺の好きなもの?んーと、甘いものだろ、動物、お酒…。」 「もっと好きなものあるでしょ?」 「ん?夏月のこと?」 「うっっ…!可愛すぎて胸が苦しい…っ!」 「またかよ(笑)」 心配して夏月に近付くと、抱きしめられる。 ニヤニヤしながらズボン越しにお尻の穴を擦ってくるから、頭を小突いた。 「なんだよ、急に。」 「綾人さんは俺のことが一番好き?」 「うん。だったら何?」 「俺の次に綾人さんのこと気持ちよくしてくれるものなーんだ?」 「は…?」 夏月以外ってそんなの無い……。 ……………。 「…………っ!!?」 「気づきました?♡……痛っ!!」 「好きじゃねぇし!!バカ!!!」 夏月の言わんとしてることが分かった。 夏月の部屋のクローゼット。 その隅にある、夜の玩具が詰め込まれた玩具箱。 やっぱり。ここにあった。 「好きじゃない!!」 「照れちゃって〜♡」 「こんなのいらねぇし。」 「まぁまぁ。一旦開けてみてくださいよ。」 夏月に言われ、渋々包装紙を破って開封する。 「……………。」 「使ってみたいでしょ?」 銀色のボコボコした細い棒。 一体何に使うのか。 いや、本当はなんとなく想像はつく。 「一応聞くけど、何これ。」 「尿道ブジーです♡」 嫌な予感が的中し、肩を落とす。 夏月に箱を押し付けて手を離した。 「絶対使わない。つーか、俺へのプレゼントって言ってたじゃん。こんなの絶対一人で使わねぇし。返品してこい。」 「え〜。前気持ちよくなれたでしょ?ブジー買おうねって言ったじゃないですか。」 「おまえが勝手に言っただけ。俺は欲しいなんて言ってない。」 「尿道責めハマっちゃうかもですよ?」 「ハマらないから。」 ぷいっとそっぽを向くと、夏月は苦笑して玩具箱を奥に直した。

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