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第951話

…………ちんこが痛い。 そう感じて目が覚めた。 部屋は真っ暗で、いつも通り俺の身なりは整えられ、夏月が俺を抱きしめて眠っていた。 いつもと違うのは、異常にヒリヒリするペニスと、ヘッドボードに並ぶ大量のペットボトル。 前に尿道弄った後も、水飲めって言われたけど…。 「こんなに飲めるかよ…。」 とりあえず一本開けて飲み干した。 俺の頭にうっすらと残っている記憶だと、俺はかなり破廉恥な喘ぎ方をしていたような気がする。 穴があったら入りたい…。 喉もイガイガするし…。 夢じゃなかった、多分。 「あやと……。」 「……!!」 「…あ…やと……、愛してる……」 寝言…? 寝言でもこんなこと言うの? どんな夢見てんだよ…? 思わず顔が熱くなって、隠すように夏月の胸に顔を埋める。 ごそごそしてても全然起きる様子はなく、顔を上げると夏月のあどけない寝顔がばっちり見える。 「夏月…、好きだよ。」 「………ふ、へへ…。」 チュッとキスすると、夏月は口元を緩めて笑った。 何こいつ……。 めちゃくちゃ可愛いんですけど…。 「大好きだけど、普通に愛してくれ…。」 「ん…。」 「気持ちよかったけど、俺は夏月と繋がってる方が満たされるから…。」 「ん〜……。」 眠る夏月に本音を伝えると、適当な相槌が返ってきた。 きっと聞こえてないんだろうな。 でも夏月が寝てた方が、すらすら本音が言える気がする。 「愛してる。」 「ん……。」 「夏月と一緒にいれて幸せ者だよ、俺は。」 「…お…れも……」 「ふっ、起きてんの?」 「んん……。」 また寝言だ。 いや、なんだかんだ聞こえてるんだろうな。 寝ぼけてるけど。 「もう俺、おまえしか考えられないからさ。」 「………ん…」 「いつかちゃんと伝えるから。」 「………ぅん…」 「それまで待っててくれよ?」 「……綾人…」 「!!」 いきなりはっきりと名前を呼ばれ、起こしたか?と固まっていると、また寝息を立て始めた。 こんなの聞かれてたら重い男だと思われるんだろうな。 こいつも十分重いけど。 その重みが俺には嬉しく感じるんだもんな。 変な感じ。 「おやすみ、夏月。」 唇を重ねて、俺ももう一度目を閉じた。

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