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第957話
帰り道、夏月が本屋に寄りたいと言ったから付き合うと、大阪の観光雑誌を数冊手に取ってレジに持っていった。
こいつ、大阪に何しに行くか本当に分かってるのか…?
家に帰って夕食を済ませ、夏月は俺をソファに座らせて、雑誌を持って隣に座った。
「どこ行きますか?食い倒れ旅もいいですね!たこ焼きとお好み焼きと〜…」
「夏月、出張だぞ?浮かれすぎ。」
「だって綾人さんと出張ですよ?浮かれずにいられると思いますか?」
「俺だって嬉しいけどさ…。でも商談相手は大手だろ?ちゃんと気を引き締めとかないと、失敗したらどうするんだよ…。」
「綾人さんの前で俺が失敗するわけないじゃないですか。」
当たり前のように豪語した。
その自信は一体どこからくるのだろうか。
「ホテルは一緒でいいですよね!二人一部屋なら宿泊費の上限も超えないだろうし、ちょっとだけいいビジネスホテル泊まります?壁薄いところは嫌だしな〜。」
「はぁっ…?!つーか、そもそも一泊二日なんだから、観光する時間なんてないだろ。」
「翌日から週末で休みだし、自費でもう一泊して、ゆっくり観光して行きませんか?そしたら食い倒れ旅もできますよ?」
夏月と大阪旅行…。
したい…けど、仕事で行くんだし…。
「後に楽しみがあった方が頑張れそうじゃないですか?俺は綾人さんとデートが控えてたら、もっともっとやる気が出そうです!」
「でも……」
「絶対に契約決めて、綾人さんに旅行楽しんでもらえるように頑張るし。……ダメ?」
誘惑に負けそう…。
夏月にぎゅっと手を握られる。
あぁ…、無理だ。負けた。
「いいよ…。一泊延長しよっか。」
「やったー!!綾人さん大好きっ♡」
「ん…っ、夏月…♡」
ハグしながらキス。
夏月のハグは力強くて、愛されてる感じが伝わってくるから好き…。
俺の愛も伝わってんのかなぁ…?
ぎゅっと抱きしめ返すと、夏月は一旦唇を離して俺を見つめた。
「綾人さん…」
「んっ、ぁ♡」
「愛してます…。大好き。ずっとそばにいます…。」
「な…つきぃ…♡」
お尻に当たる熱いナニかが、俺の身体を熱らせる。
このまま……。
でも、明日も仕事だしな…。
「綾人さん、今日は一回で我慢する…。だから、いい…?」
「うっ…。本当…?」
「うん。頑張る…。」
夏月も同じことを思っていたらしく、甘い誘惑に負けて身体を委ねた。
夏月は言葉通り、ちゃんと一回で終わらせた。
ただし、その一回はすっっごく長くて、夏月が一回イクまでに、俺は3回はイカされた。
「疲れた……。」
「約束は守りました。」
「もう寝そう…。」
「お風呂入れてあげます♡」
夏月は風呂からベッドに入って眠りにつくまで、俺の体の隅から隅までお世話してくれた。
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