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第961話

こんなことになると思ってなかった。 誕生日のときに、肌スベスベだったら夏月が喜んでくれるって分かったから…。 千紗におすすめのスキンケアグッズを聞いたら、美尻スクラブを教えてもらったんだ。 なんで尻?とは疑問に思いつつも、ネットで見たら最近割と人気の商品だったから、無くなる前に注文した。 届いてから使ってはいたけど…。 「ち…、千紗に教えてもらったんだよ…。人気のスクラブだって…。」 「へー。伊藤さん…。」 「まだ怪しんでんの?」 「怪しんではないです。綾人さんのこと、信頼してるんで。ただやっぱり元カノって気に食わないだけ。綾人さんは俺のもんなのに…。」 夏月は痛いくらいに俺を抱きしめ、ムスッと口を尖らせる。 過去のことを比べたら、俺の方が嫉妬する。 おまえの身体を、お前の熱を知ってしまった全員が記憶喪失になればいいのに。 「綾人さんに抱かれた女、全員消えればいいのに。」 「ぶはっ!」 「何?ダメ?」 「いや…、俺も今、夏月の過去の相手に嫉妬しそうになってたんだけど、おまえのはそれ以上だったから…(笑)」 口悪いけど、それくらい俺のこと独占したいのが分かる。 あー、もう。 大好きだよ、馬鹿野郎。 「なぁ…。尻、そんな気持ちいいか…?」 「はいっ♡キスしていいですか?」 「はっ?!ダメ!…ひぁっ♡」 さっきからダメって言ってんのに意味ないじゃん! 尻に吸いつかれて、ふにゃふにゃとの体を支える力を失う。 「夏月ぃ…っ♡ダメってばぁ…」 「そんな感じた声で拒否されても説得力ないですよ。嫌なら本気で嫌がってください。」 「あっ♡夏……っ、ぁ♡♡」 「予定変更です♪今日は中じゃなくて外で可愛がってもらおうかな〜♡」 「何す…っ?!んぁっ♡何っ?!」 俺の力が抜けたのをいいことに、腰を掴まれて尻だけ突き上げる四つん這いのような姿勢にされる。 お尻にローションを垂らされて、熱い肉棒が俺の双丘の谷間に添えられた。 そのまま穴に突っ込んでくれればそれでいいのに、先は俺の太腿目掛けてぬるんっと滑った。 「あぁっ♡♡」 「はは。久々に素股も気持ちいいね♡」 「ちょ…っ!あぁっ♡♡な…つきぃっ♡これやだぁっ♡」 「だから説得力ないんだってば。綾人さんの肌スベスベで、すげー気持ちいい。」 「あっぁ♡やだぁっ!夏月っ…、挿れてぇ…♡♡」 「やだ♡」 夏月のペニスは硬度を保ちながら、俺の太腿の間を出たり入ったり、時折ペニス同士が擦れて声が掠れるほどの快感が俺を襲った。 焦らしプレイ? 違う。そんなんじゃない。 多分本当に素股が気持ち良いんだ。 「夏月ぃ…♡ゴム…っ、買ったのにぃ…。」 「今日は挿れないからいらない。」 「はっ…ぁ♡中がいぃ…♡」 「えー。でももう俺イケそうです。もうちょっと締めててね。」 「あっ♡あっぁ♡♡」 ピストンのスピードが上がり、俺の腹目掛けて夏月の精液が放たれた。 ころんと仰向けにされ、夏月と目が合う。 「やば…。えっろ…。俺が綾人さんをこんなに汚したんだ…。」 「……夏月…」 「背徳感ヤバ。癖になりそう…。」 「んぅ…♡」 不気味に笑った夏月は、そのまま俺にキスをして、全然離してくれる様子はなかった。 結局朝まで一度も挿れてくれることはなく、今日買ったローションボトルはほとんどなくなったのに、ゴムは未開封のままに終わってしまった。

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