961 / 1069
第961話
こんなことになると思ってなかった。
誕生日のときに、肌スベスベだったら夏月が喜んでくれるって分かったから…。
千紗におすすめのスキンケアグッズを聞いたら、美尻スクラブを教えてもらったんだ。
なんで尻?とは疑問に思いつつも、ネットで見たら最近割と人気の商品だったから、無くなる前に注文した。
届いてから使ってはいたけど…。
「ち…、千紗に教えてもらったんだよ…。人気のスクラブだって…。」
「へー。伊藤さん…。」
「まだ怪しんでんの?」
「怪しんではないです。綾人さんのこと、信頼してるんで。ただやっぱり元カノって気に食わないだけ。綾人さんは俺のもんなのに…。」
夏月は痛いくらいに俺を抱きしめ、ムスッと口を尖らせる。
過去のことを比べたら、俺の方が嫉妬する。
おまえの身体を、お前の熱を知ってしまった全員が記憶喪失になればいいのに。
「綾人さんに抱かれた女、全員消えればいいのに。」
「ぶはっ!」
「何?ダメ?」
「いや…、俺も今、夏月の過去の相手に嫉妬しそうになってたんだけど、おまえのはそれ以上だったから…(笑)」
口悪いけど、それくらい俺のこと独占したいのが分かる。
あー、もう。
大好きだよ、馬鹿野郎。
「なぁ…。尻、そんな気持ちいいか…?」
「はいっ♡キスしていいですか?」
「はっ?!ダメ!…ひぁっ♡」
さっきからダメって言ってんのに意味ないじゃん!
尻に吸いつかれて、ふにゃふにゃとの体を支える力を失う。
「夏月ぃ…っ♡ダメってばぁ…」
「そんな感じた声で拒否されても説得力ないですよ。嫌なら本気で嫌がってください。」
「あっ♡夏……っ、ぁ♡♡」
「予定変更です♪今日は中じゃなくて外で可愛がってもらおうかな〜♡」
「何す…っ?!んぁっ♡何っ?!」
俺の力が抜けたのをいいことに、腰を掴まれて尻だけ突き上げる四つん這いのような姿勢にされる。
お尻にローションを垂らされて、熱い肉棒が俺の双丘の谷間に添えられた。
そのまま穴に突っ込んでくれればそれでいいのに、先は俺の太腿目掛けてぬるんっと滑った。
「あぁっ♡♡」
「はは。久々に素股も気持ちいいね♡」
「ちょ…っ!あぁっ♡♡な…つきぃっ♡これやだぁっ♡」
「だから説得力ないんだってば。綾人さんの肌スベスベで、すげー気持ちいい。」
「あっぁ♡やだぁっ!夏月っ…、挿れてぇ…♡♡」
「やだ♡」
夏月のペニスは硬度を保ちながら、俺の太腿の間を出たり入ったり、時折ペニス同士が擦れて声が掠れるほどの快感が俺を襲った。
焦らしプレイ?
違う。そんなんじゃない。
多分本当に素股が気持ち良いんだ。
「夏月ぃ…♡ゴム…っ、買ったのにぃ…。」
「今日は挿れないからいらない。」
「はっ…ぁ♡中がいぃ…♡」
「えー。でももう俺イケそうです。もうちょっと締めててね。」
「あっ♡あっぁ♡♡」
ピストンのスピードが上がり、俺の腹目掛けて夏月の精液が放たれた。
ころんと仰向けにされ、夏月と目が合う。
「やば…。えっろ…。俺が綾人さんをこんなに汚したんだ…。」
「……夏月…」
「背徳感ヤバ。癖になりそう…。」
「んぅ…♡」
不気味に笑った夏月は、そのまま俺にキスをして、全然離してくれる様子はなかった。
結局朝まで一度も挿れてくれることはなく、今日買ったローションボトルはほとんどなくなったのに、ゴムは未開封のままに終わってしまった。
ともだちにシェアしよう!