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第970話

午前中から大阪に拠点を構える企業の説明会や、アポの取れたところは営業かけに行ったりもして、あっという間に日が暮れてきた。 「今日もいい感じでしたね。あとは報告書まとめて提出すれば完璧でしょ。」 「おまえと回ると営業の自信なくすよ…。」 「えぇっ…!?」 「今の褒め言葉な、一応。」 涙目になる夏月の頭を撫でる。 夏月の営業成績の秘訣は、センスだけじゃなくて諦めない心も大いに関係していそうだ。 狙った獲物は逃さない。 入社してからずっとそうだったな。 「二日間、よく頑張ったな。」 「ご褒美!」 「なんか美味しいもの食べに行こっか。」 「違う!綾人さん!!」 「はいはい。美味いもん食ってからな。」 「え〜。」 文句垂れる夏月を連れて、フグ料理を食べに行った。 多少値は張ったけど、ご褒美だから良し。 お腹いっぱい食べて、ホテルに戻った。 「美味しかった〜。」 「明日は食い倒れなんだろ?」 「うん。でも大阪って有名な水族館あるじゃないですか。綾人さんとのデートといえば水族館みたいなとこもあるから、そっちもいいなぁって悩んでて…。」 「じゃあまた今度大阪来よう。その時は水族館デート連れてってくれよ。」 「はいっ!!」 夏月は俺めがけて飛びかかってきた。 そのままベッドに倒れ込み、視界が夏月でいっぱいになった。 「んん…、ふっ…」 「綾人さん、触って。」 右手を誘導され、辿り着いたのは夏月の下腹部。 昨日と違って、もう硬くなりかけていた。 「綾人さんとキスするだけでこんなんなるの。綾人さんしか俺のこと興奮させられないよ。」 「んっ、うん…っ」 「本当は昨日めちゃくちゃに抱きたかった…。ねぇ、またあのパンツ履いてくれる?」 昨日パンツ越しに顔埋められたりしたのを思い出して赤面する。 恥っず…。 つーか、客観的に見てあんな下着履いてる30代やべーだろ…。 「…っ、やだ…」 「何でもお願い聞くから。ね?いいでしょ?」 「何でも…?」 「うん。何でも。」 お願い…。 聞いてくれんなら、履いてもいいかも…。 「ずっと一緒にいてくれるか…?」 「何その可愛いお願い。言われなくても一緒にいますよ♡」 「ずっとだぞ?」 「死ぬまでそばにいます♡愛してますから♡」 何度も聞いてるはずなのに、何度聞いても涙が出るほど嬉しい。 目尻に涙が溜まって溢れそうなのを、夏月は抱きしめて隠してくれた。 「そんな可愛いお願いならもう一個聞いてあげようかな〜?」 「………キスして…。」 「はは。もう一つも可愛いお願いだった。」 たくさんキスして、奥の方まで夏月でいっぱいに満たされて、一緒にシャワーに入って、同じベッドで眠りについた。 今夜はいい夢を見られそうだ。 「おやすみ、綾人さん。」 「おやすみ、夏月。」 最後にもう一度キスをして、抱きしめあって目を閉じた。

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