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第972話

夏月オススメのたこ焼き屋で8個入りを頼む。 「熱っ…、うまっ!」 「はふはふしてる綾人さん可愛い。」 「熱いんだもん。」 「あーんして。」 「仕方ねぇな。」 爪楊枝で挿して夏月の口へ運ぶと、夏月も「熱っ!」と口をハフハフさせていた。 ソースとマヨネーズ、青のりに鰹節。 東京でも食べられるけど、やっぱ本場で食べると雰囲気も加わって美味しさが増す。 お好み焼きも食べるから控えようと思って二人で8個にしたけど、美味しくてすぐになくなってしまった。 「お好み焼きはオススメのとこある?」 「有名なところは向こうの通りにあるみたいです。」 「じゃあそこ行こうぜ。」 夏月はモダン焼き、俺はぶた玉を頼む。 店員さんが焼くか、自分で焼くか選ばせてくれて、初めてだから焼いてもらうことにした。 「あとは焼き目がついたらお召し上がりください。」 「ありがとうございます。」 表面が焼けてひっくり返してくれて、あとは食べ頃になったら食べればいいらしい。 美味そう…。 「もんじゃとは違いますね。」 「うん。いただきまーす。」 「いただきます。」 ん〜!美味しい! 口いっぱいに頬張っていると、夏月は俺を見てくすくす笑う。 「何だよ?」 「ハムスターみたい(笑)」 「………夏月のもちょうだい。」 「いいよ。あーん♡」 口を開けると、フーフーして冷ましてくれた一口大のお好み焼きが口に入れられる。 ん…、こっちも美味い…。 「美味い。」 「キツイかなーと思ったけど、一枚は食べれそうですね。」 「うん。余裕。」 ぺろりと一枚平らげて、お好み焼き屋も後にする。 さすがにたこ焼きとお好み焼き両方食べるとお腹に溜まって、夕方までにお腹をできる限り空かせようと辺りを散策した。 通天閣に登って、その後新世界をぶらぶらする。 「あ。これ懐かしい。」 「何これ?」 「スマートボール。知らない?夏月若いもんな。」 「そんなに年代変わらないでしょ。」 「はは。俺も小学校の授業で作ったことあるくらいだけどな。パチンコみたいな感じっぽい。やってみようぜ。」 100円入れると、玉が補充される。 「ここ引っ張って離すんだよ。そしたらボールが飛んでって……、あー失敗。」 「なるほど…。こうですか?」 夏月は1回目こそ失敗してたけど、すぐにコツを掴んで2回目には得点を入れていた。 俺はすぐに持ち玉が無くなってしまって、夏月のをじっと見てた。 「兄ちゃん上手いなぁ。」 「本当ですか?」 「やるん初めて?」 「はい。楽しいです。」 「そらよかった。これ景品のお菓子詰め合わせ。」 「わー。荷物増えた。」 「なんやそら(笑)」 夏月は景品をもらったのに荷物になるからと、その辺に歩いてる子どもにあげた。 子どもたちはキャッキャと嬉しそうにはしゃぎながら、お菓子を持って走って行った。 「あ。動物園ありますよ。行ってみませんか?」 「おう。」 たまたま辿り着いた動物園に入ってみることにした。

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