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第996話

お互いイッたけど、夏月の手首は固く結ばれたまま。 抱き合って繋がったまま見つめ合う。 「夏月……、どうしたらいい?」 「俺はこのままいたいですけど…。」 「そっか…。じゃあこのままにする…。」 すぐそばに夏月の顔があって、恥ずかしいけどしたいからキスする。 触れるだけのキス。 次はちょっと唇を食んで…。 その次は舌を入れてみたりして。 「ふっ…、綾人さんキス好きですよね。」 「す、好きだけど…?つーか、だって……」 「?」 だって…、すげー近いんだもん…。 好きな奴の顔がそばにあったらキスしたくなるじゃん。 逸らした目をもう一度夏月の方に戻すと、ばっちりと目が合う。 「こんなに近くに好きな人の唇があったら、キスしない手はないですよね。」 「んっ…♡」 「本当可愛い。あー、また元気になってきちゃった。」 「えっ…、ぁ?!」 俺の中に埋まったままのソレが、むくりと大きくなり硬度を帯びる。 待って。 これ、夏月の手首のネクタイ解けるまで無限ループじゃない?! 「な、夏月…っ??もう……」 「仕方ないですよね。好きな人と繋がって、すぐそばであんな可愛い顔見せられてキスされたら、男なら勃つでしょ。」 「あっ♡ま、待って!夏月っ♡♡」 明日の支度も終わらず、お風呂にも入ってないまま、俺と夏月は愛し合っていた。 ネクタイが外れたのは夜中の0時半。 夏月の腕の中からなんとか抜け出し、15分かけてネクタイを解いた。 二人ともバテていたけど、夏月が手を貸してくれて、お風呂に入って体を綺麗にした。 途中からゴムは役割果たしてなくて、夏月の精液の残り全部は俺の中にいっぱいに注がれた。 お腹を壊すからと綺麗に掻き出してくれたけど、本当は夏月がいない間寂しいから残しておいてほしかったりして…。 そんなの現実的じゃないって分かってるけど、俺だってそれくらい寂しいんだ。 二人で寝床についたのは夜中2時。 疲れ果てて一瞬で瞼が落ちる。 「綾人さん……」 「んん……。」 「ごめんね。こんなにいっぱいするつもりなかったのに…。明日体調悪かったら休んでね?」 「大丈夫…。」 「俺いないんだから、前みたいに駆けつけられないからさ…。」 「うん。だいじょーぶだよ、夏月…」 まだ2時だから、あと4〜5時間は寝れるし。 むしろ夏月の方が朝早いから心配だ。 俺のことばっかり心配して…。 「どうしたら不安なくなる?」 「ん〜…、1時間に一回メッセージ入れて欲しい…。」 「わかった。」 「いいの??面倒じゃないですか??」 「全然。他には?」 「お昼…、電話したい……。」 「うん。俺もしたい。」 「夜は電話繋げたまま寝たい…。」 「いいよ。夏月の声聴いてた方が眠れるし。」 「帰りは一緒に家帰りたい…。」 「東京駅まで迎えにいく。」 たくさん溢れてくる夏月のお願い、全部聞いてやりたい。 夏月は離れるのが相当嫌だったのか、珍しく俺の胸の中で堪えるように泣いていた。 愛おしいってこういうことを言うんだろうなぁ。 もはや依存に近いような気もするけど…。 「綾人さん…っ、好き…」 「愛してるよ、夏月。」 「うぅ〜……、行きたくない……。」 「ほら、早く寝るぞ?おやすみ。」 「……おやすみなさい。」 触れるだけのキスをして、抱きしめ合って眠りについた。

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