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第1004話
クタクタになりながら、なんとかベッドまで辿り着き横になる。
あー…、このまま寝たらいい夢見れそう…。
『綾人さん、髪乾かさなきゃ風邪ひいちゃうよ。』
「ん〜…、大丈夫……。」
『普段ヤッたあと甘やかしてる弊害か…。今乾かさないと、これから髪乾かしてあげないよ?』
「やだぁ…。」
『じゃあ乾かして。』
「う〜……。」
眠いのに…。
タオルでぐしゃぐしゃ髪を拭いていると、『違う!そうじゃない!ドライヤー!!』と電話越しに怒られる。
夏月って、ちょっとオカン体質あるよな…。
スマホ持ちながら洗面所に行って、ドライヤーで髪を乾かしていると、画面の向こうの夏月が慌てて何か叫んでる。
「なにぃ〜……?」
『燃える!!燃えるから!!ちゃんと髪と距離離して!!』
「ん〜……?……アッツ!?」
『ほら!だから言ったじゃないですか!』
眠いのにドライヤーで乾かせって言うからじゃん…。
ぷーっと頬を膨らませると、夏月は困ったように笑った。
ベッドに移動して横になり、頭に浮かんだことをそのまま話した。
要は何も考えずに話していた。
そしたらいつの間にか寝ていた。
うとうとしてたと思って目を覚ますと、下から見上げる画角でシャワー中の夏月が画面に映っていた。
えっろ…。何これ。AV??
俺を起こさないようにミュートにしてくれていたようだけど、無音もなんかエロい…。
じーっと見ていると、画面を見た夏月が俺に気づいてシャワーを止め、画面をタップした。
『起きちゃったの?音消してたのに。』
「えっ…あ、と…」
ひ〜〜〜。
前髪から水滴っててエロいし、声反響しててエロいし、ドアップエロいし!!!
わざとでもわざとじゃなくてもエロい。
吃る俺を見て笑ってるし…。
『好きだよ。だーいすき。』
「お…れも……。好き……。」
『もう日付変わりましたよ。今日帰りますからね♡』
「うん…っ!待ってる。」
なんでこんなに愛おしいんだろう。
何回言っても言い足りない。
色んな夏月を見るたびに、どんどん好きが溢れる。
その度に恋し直してる。そんな感じだ。
『シャワー上がったら俺も寝ますから、綾人さん先に寝ててください。ドライヤーはミュートするし。』
「一緒に寝たい…。」
『わかった。じゃああと少しだけ待ってて?』
夏月は画面にチュッとキスをして、シャワーを再開した。
エロいなぁ…。
あーやば…。なんか勃ってきた…。
夏月気づくかな…?
「……はっ…、ぁ…」
ズボンの中に手を入れて、ペニスをゆるゆる扱く。
バレたい。バレたくない。
見られたい。見られたくない。
真逆の心理が俺の中で戦っていた。
シャワーを終えた夏月がふと画面に目をやり、俺の異変に気づく。
『何エロい顔してるんですか。興奮しちゃった?』
「……うん。興奮した…。」
『やけに素直ですね…。調子狂うな…。』
恥ずかしそうに頭を掻く夏月。
こういう俺にしか見せてくれないギャップがきゅーんとするんだよな…。
扱いていた手を速めると、すぐにイけた。
俺、早漏すぎるだろ…。
自分で言って悲しくなっていると、夏月がギョッとした顔で画面に顔を近づける。
『今イッた?!』
「へ……?」
『なんで?!画面外で何してたの?!』
「ちょ、夏月待っ……、あ。」
慌てて画面をタップしたら通話が切れた。
すぐにかかってきた電話を取るともちろん質問責めにあったけど、素直に白状すると夏月は満足して、電話を繋げたまま二人で眠りについた。
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