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第1006話
「………終わった!!お疲れ様でした!!」
「おー。お疲れ様。………望月何かあるのか?」
「さぁ…?」
仕事を終えてすぐに職場を出る。
あと30分くらいで東京駅に着くらしい。
夏月は予想より到着が遅くなったのが悔しいのか、謝罪のメッセージをたくさん送ってきた。
俺としては迎えに行きたかったからよかったんだけど。
改札内に入るための切符を買い、待合室で時間を潰してから新幹線のホームに向かう。
18時35分着、のぞみの5車両目……。
ちょうど新幹線が到着し、一番に夏月が出てきた。
「綾人さんっっ!!!」
「うわっ!?」
人目も気にせず抱きしめられる。
恥ずかしい…けど嬉しい。
ヒソヒソと俺たちを見て話してる人もいる。
でも夏月の腕に包まれていたくて、俺も抱きしめ返した。
「おかえり。」
「ただいま。ごめんね、遅くなって…。」
「迎えに来れて嬉しいから気にすんな。それより、早く帰ろ。」
「はいっ♡」
夏月は俺の隣をぴったりとキープする。
鼻唄まで歌ったりして、可愛い奴。
「ねー、俺、綾人さんの手料理食べたーい♡」
「ん、いいよ。何にしよっか。」
「野菜炒めは昨日食べてたもんね。簡単なのでいいんですけど…。」
「野菜のベーコン巻きとかでもいい?」
「はいっ!嬉しいです!」
自宅に向かいながら、途中スーパーに寄って買い出しをしたりして、のんびりと帰った。
家に着いて、ただいまのキス。
二日分たっぷりと唇を重ね合う。
「…っは、綾人さんなんか今日エロい…。」
「そう…?」
「うん…。ちょっとは期待してくれてたりする…?」
「そりゃ…、うん……。」
頬を桃色に染める夏月につられて、俺も顔が熱くなる。
視線を上げると、また唇が重なった。
幸せすぎ…。やばい…。
「いっぱい気持ちよくするから…。」
「う、うん…。」
「あー…、好き。綾人さん大好き…。」
ぎゅぅっと力強く抱きしめられて、心がほわっとする。
マジで大好きすぎるんだけど…。
「一緒に風呂入ろ…?」
「もちろんです!!」
「先風呂にする?それとも飯にする…?」
「うっ…。綾人さんでって言いたいとこなんだけど、多分お風呂とか綾人さん先にしちゃったら、ご飯食べ損ねそうなので今日はご飯で…。」
「はは。了解。」
夏月の唇にチュッとキスして、一足先にキッチンへ向かった。
昨日と違って、今日は恋人のために作る料理。
美味しいって思ってもらいたくて、俄然やる気が出る。
「幸せ…。結婚したらこんな感じかなぁ?」
「生活に関しては今とそんなに変わらないんじゃないか?」
「うーん…。でも結婚したら、綾人さんの左手の薬指にお揃いのシルバーリング……。いや、全然違いますね。確実に違います。」
「はは。それお前の気分の問題じゃん。」
「雰囲気は大事です!!」
夏月の熱弁。
こんなこと言われたら、結婚指輪は奮発したくなるなぁ。
まだプロポーズもしてないのに何言ってんだって感じだけど。
夏月との未来を想像すると、幸せでいっぱいだった。
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