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第1023話

ラブホテルにしては清潔感があって上品なホテル。 選べる部屋も全部シックで落ち着いた雰囲気がありそうだ。 「どの部屋がいい?」 「泊まるわけじゃないし、一番安いのでいいよ。」 「………本当に泊まらないんですか。」 「さすがに戻らなきゃだろ。」 ムスッとむくれる夏月を宥めながら部屋に移動する。 おぉ…、広い。 ブラウンとベージュを基調とした落ち着きのある部屋。 でも枕元近くにちゃんと必要なものは置いてある様子。 「先に風呂入るか。お湯張ってくるよ。」 「まずはキスでしょ。」 「んんっ…!」 浴室に行こうとしたら、腕を引かれて唇を奪われる。 外ではできない、二人きりの時だけしてくれる腰砕けになっちゃう濃厚なキス…。 夢中になって応えていると、いつの間にかじりじりとベッドに近づいていた。 「夏月…っ、せめてシャワー…」 「何がそんなに嫌なんですか。」 「汗……、かいたし…」 「綾人さんの汗なら舐めれますけど、俺。」 夏月の両肩を押して抵抗していると、詰め寄られて首筋を舐められる。 身体がビクンッと震え、思わず夏月を突き飛ばす。 「キモい!」 「ひどーい。」 「そういうのやめた方がいいと思う…!」 「じゃあシャワーしながらエッチしてもいい?」 え、逆にしないのか…? 俺だけそんなこと考えてた?? ポポポッ…と顔に熱が集まる。 「いいんだ?」 「い…いけど…」 「やった♪じゃあシャワー行こ♡」 脱衣所に連れられ、服に手をかけられる。 シャワーしながらエッチってどこまで? 解すとこまで?それとも挿れる? 期待で胸が膨らんでいく。 夏月は俺のスウェットを脱がそうとして、「あ。」と言いながら脱がすのをやめた。 「………?」 「忘れてた。昨日から綾人さんがこのスウェット着た時にしよーって思ってたことあるんだった。」 「昨日?」 このスウェット、昨日圭くんとショッピング行った時に買ったばかりなんだけど…。 夏月も似合ってるって言ってくれてたから覚えてるはず…。 ん??まさか買う時に何か変なこと考えてたってこと? 「んひゃあっ?!」 「ふふっ、ふわふわ〜♪」 「ちょ…っ、夏月?!」 夏月は胸元に横切るふわふわ素材の上から俺の乳首を刺激した。 今は引っ込んでるから触られてもそんなに感じないはずなのに、こいつ絶対俺の乳首弄りのコツ掴んでるだろ…! 「夏月っ♡あっ、待って…ッ!」 「胸元だけふわふわって、まるで触ってください!って言ってるみたいなデザインの服買う綾人さんがいけないよね♡」 「だってぇ…、あっ…ぅ、似合ってるって言ってくれたから…!」 「似合ってたのは本当だけど、これがしたかった下心9割♡」 「っ?!」 だからあんなに頑なに買うって言ってたのか…! 夏月だから素直に褒めてくれてるだけかと思ってた。 ちょ、これヤバい…。 「んぁあ♡夏月っ、夏月ぃ…♡」 「もうとろとろだね♡」 「も…ぉ、ちゃんと触れってぇ…」 足元から崩れ落ちて、夏月にしがみつきながら懇願した。

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