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第1033話

翌朝、うるさすぎて目が覚めた。 気のせいだろうか、ちゅんちゅんの声がするのは…。 「柳津さん!なんで!なんで望月さんと城崎さんがいるんすか!!」 「うっせぇ……。」 「そんで、なんで柳津さんが俺の布団で寝てんすか!!朝起きたらすっげー寒かったんですけど!!」 「寒いのはおまえの寝相が悪いからだろ。つーか、起きんの早ぇんだよ!」 「俺は日の出と同じ時刻に起きます!!」 「急にガチの雀やめろ。」 …………? 俺と夏月の同室者って、蛇目と蛙石じゃなかったっけ? つーか、夏月にめちゃくちゃ抱きしめられてるんですけど…。 「雀田ー……、うるせぇ……。」 「静かにしろ〜……。」 元々この部屋配置の同僚が怒りを含んだ声で訴える。 交換したわけじゃない…。 つまりこの部屋には今6人も寝てるのか。 いや、なんで??? 「望月さん!おはようございます!なんでここにいるんすか!」 「おはよう。ちなみにそれに関しては俺が聞きたい…。」 「記憶喪失っすか?!」 「違うよ。起きたらここに居たから分かんねぇの。」 本当に訳がわからない。 けど、確実に夏月が俺を移動させたんだと思う。 つんつんと夏月の頬を突いてみると、夏月の目がうっすら開いた。 「ん…、綾人さん……」 「ちょ…、ん…」 布団に引きずりこまれてキスされる。 涼真とちゅんちゅん以外もいるのに…! 「こら…!ダメだって……」 「ん…」 「起きろってば!」 「痛っ!」 鳩尾に蹴りを入れると、やっと目が覚めたらしい。 涙目で俺を睨みつけてくる。 「痛い…。」 「二人きりじゃないんだから自制しろ。」 「んん〜……、やっとさっき寝たとこだったのにぃ…。」 「え?そうなのか?」 大きなあくびをしながらのびをする夏月。 もしかして俺、悪いことしちゃった? 「あれ?なんで望月いんの?」 「城崎もいるじゃん。おまえら本当仲良いな。」 同僚も俺たちの存在に気づいたらしく、こっちに近づいてきた。 夏月は本当に眠いのか、半分寝ている。 「悪い。城崎寝かせてやって。」 「ん?いいけど。望月たちいつ出んの?」 「城崎が起きたら出発するよ。」 「ははっ!彼女みてー。」 図星を突かれてぎくりとしたけど、向こうはあまりに気にせずに支度を始めた。 色々聞きたいことはある。 俺は何故この部屋にいるのかとか、どうして夏月はさっきまで眠れなかったんだろうとか。 また蛇目が余計なことしたのかな…。 「綾人、俺らも先出るぞ?」 「うん。どうせ二人で出掛けたいって言うだろうしいいよ。」 「まぁそうだよな…。旅館の到着は遅れても大丈夫だったけど、新幹線は遅れんなよ?」 「分かってるよ。」 四人とも支度を終えて、俺たち二人を置いて先に朝食に向かった。

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