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第1054話

結局3回戦を終え、俺は体力を使い切ってぐったりと横たわった。 夏月はなんだかまだ余裕がありそうだけど…。 「は〜♡可愛かった♡♡綾人さん可愛いっ♡」 「もう無理だぞ……。」 「抱きしめるくらいいいでしょ♡」 元気すぎる…。 布団の中でもぞもぞしながら、夏月にぎゅーっと抱きつくと、夏月もよしよしと俺の頭を撫でてくれる。 「疲れた?」 「ん…。でも気持ちよかった。」 「そうですね♡綾人さん、早く中掻き出さないと本当にお腹下すよ?」 「うん…。して…?」 「甘えたな綾人さんも可愛いっ!」 夏月は俺を抱き抱えて浴室に移動し、俺の穴の中を綺麗に洗浄した。 結構感じてしまって、また夏月にちょっかい出されたけど…。 軽くシャワーを浴びて、体を拭いてから裸のままベッドで抱きしめ合う。 「帰りたくないなー。」 「大翔待ってるから。それに、飯食ってないかも。」 「適当に何か食べてるんじゃないですか?」 「うん。だけど心配だから…。」 「綾人さんは優しいね。優しすぎて妬いちゃいそう。」 「あ、こら…。」 お腹やお尻を触ってくる夏月の手を掴むと、そのまま指を絡ませるように繋がれる。 夏月の長くて綺麗な指。 好きだな……。 もっと触れていたいのに。 「俺も……、本当は帰りたくないよ。」 「え。」 「大翔が実家に戻るまではサポートしてやりたいんだ。我儘言ってごめんな…。」 「〜〜〜!綾人さん大好きです!!俺もサポートします!頑張る!」 「本当か?夏月も協力してくれるなら、すげー安心する。」 思わず笑顔になると、夏月も俺を見てキラキラした笑顔になった。 夏月もなんだかんだ大翔のこと気にかけてくれてんだよな…。 夏月の頭を撫でると、照れたのか頬を赤くした。 「あ、それともう一つ我儘言っていい?」 「はい♡なんでも聞きますよ。」 「クリスマス、ホテル譲ってもらったの断った。」 「え?!なんでですかっ?!」 本当にもらう気満々だったんだな…。 全く。遠慮ってのを知らない奴め。 「家で二人きりで過ごしたい。それに、家ならチェックアウトとかも気にせずに過ごせるだろ?家の方が夏月の匂いに包まれてるから好きなんだ。」 「なっ…?!ずるい!理由が可愛すぎます…っ!!」 「な?家でいいだろ?」 「もちろん!!高級ホテル以上に素敵なディナーとサービスをご用意します!!」 「はは。家なんだから気張らず寛ごうぜ。夕食は外食でもデリバリーでもいいし。夏月がそばに居てくれたらそれでいいからさ。」 「俺もっ!!綾人さんが居てくれたらそれが全てです!!」 力強く抱きしめられ、目の前にある鎖骨に吸い付くと、ほんのり赤く色づく。 夏月は喜んでそこばかりを撫でていた。 満足いくまでたくさんキスをして、名残惜しくて部屋を出る前にまたキスをして、19時にやっとホテルを出た。 外はもう暗くて、ひんやりと冷たい風が肌を刺した。 「寒いですね。早く帰りましょうか。」 「うん。」 また手を繋いで、繋いだ手をポケットに入れてもらって、ラブラブを見せつけるように帰路を歩いた。

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