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第1056話
月曜からはもちろん仕事。
そしてあの約束は継続して、休憩時間はもちろん、行き帰りも夏月とできる限り接触しない日々が再開した。
正直なことを言うと寂しい。
でも、職場であんなデレデレの俺を見せるのだけはやっぱり無理だ。
我慢…。家に帰れば……。
そう唱えながら家に帰るが、大翔がいるから家でも我慢。
俺たちに許されたのは、大翔が風呂に入ってる僅かな時間だけだ。
「んっ…、ん、夏月…」
「綾人さん…。ねぇ、明日またホテル行かない?」
「でも……」
「十数分こうしてるだけじゃ、俺、綾人さん不足で死んじゃいそう…。」
キスの合間に、夏月は強請るようにそう提案した。
今日は火曜日。
明日は祝日で一日休みだ。
大翔が家に戻る予定は土曜日。
明日ホテルに行かないと、夏月と触れ合えるのは4日後ってことになる…。
「俺も死にそう…。」
「じゃあホテル行く?」
「うん。連れてって…。」
夏月の服をキュッと握ると、夏月は嬉しそうに笑って俺を抱きしめた。
俺たちラブラブ過ぎじゃん。
ニヤニヤしてるのがバレないように夏月の胸元に顔を埋めると、必然的に体が密着する。
その拍子に夏月の下腹部が熱を帯びていることに気づいてしまった。
「ふっ…。バレた?明日のこと想像したら、こんなになっちゃった。」
「触ってもいい…?」
「もちろん。でも我慢できなくなっちゃうから、程々にしてくださいね。」
ズボンの上から、右手の手のひらで夏月の股間を撫でる。
熱くて硬くて、俺の方が恥ずかしくなってしまう。
指先で擦るように動かすと、ピクッと反応してなんだか嬉しい。
柔く揉むと夏月の吐息に熱がこもった。
「綾人さ……」
「兄さんっ!お風呂ありがとうございましたっ!」
「い゛っ…?!!」
熱を帯びた夏月の視線に引き寄せられるように顔が近づいて唇同士が触れ合う寸前、寝室のドアが開いて大翔が入ってきた。
思わず全身に力が入り、夏月の股間をムギュッと握りしめてしまう。
「ご、ごめん…!」
「い、いいです…。大丈夫……。」
夏月は布団の中で丸く縮こまり、ふるふると震えている。
絶対痛かっただろうな…。
想像しただけですげぇ痛い。
マジでごめん、夏月…。
「兄さんっ!今日は隣で寝ましょ!ほら、おまえさっさと退けよ。」
「…っ、てめぇ…」
「大翔!今夏月ダメージでかいからそっとしてあげて?」
「ダメージ?」
「え、あ…、と、とにかく今は優しくしてあげて!」
頭の上にはてなマークを浮かばせている大翔をなんとか説得し、夏月をゆっくり端に移動させた。
俺が真ん中に居れば大翔もご機嫌な様子で眠りについた。
「寝んの早…。」
「あの…、夏月…?大丈夫…?」
「綾人さんがキスしてくれたら治るかな〜。」
「キッ…、キスってどこに?」
「ん〜?……自分で考えてみて?」
狼狽えると夏月はニヤ〜っとして俺の動向を見守る。
この場合のキスってどこだ…?
普通に唇?
それとも痛い思いをさせてしまったアソコ…?
いやいやいや。落ち着け、俺。
大翔が隣にいるのにあんなところにキスなんて…。
「あーやーとーさんっ。早く〜。」
「ちょ、待っ…!んっ…♡」
唇が重なる。
なんだ。こっちでよかったのか。
大翔が起きないように声を抑えて、何度もキスを繰り返した。
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