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第1068話
翌朝、夏月に起こされて目を覚ます。
リビングに行くと、大翔がリュックを背負って家を出るところだった。
「おはようございます、兄さん。」
「おはよ…。もう出るのか?」
「はい。本当はもっと居たいですけど、そこにいる野蛮人も怖いので。」
「おー。分かってんじゃねえか。」
野蛮人とは夏月のことだろうか?
返事してるからそうなんだろう。
「大翔、夏月は野蛮人なんかじゃ…」
「知ってますよ。兄さんのだーいすきな恋人なんでしょ?もうこの一週間で痛いほど思い知らされましたから。」
「大翔…!」
やっと分かってくれたのかと嬉しくて抱きしめようとすると、夏月に止められる。
ムッとして振り返ると、夏月の唇が重なった。
「大翔、もう来んなよ。俺と綾人さんの愛の巣に。」
「はっ?!きっも!!!愛の巣とかクサッ!ていうか、さりげなく呼び捨てすんな!!」
「もう弟も同然だろ?な、大翔?」
「キモいキモいキモい!!」
やっぱりどんどん仲良くなってる、この二人。
ちょっと妬けるなぁ。
でも嬉しい。
「兄さん、今すぐ別れた方がいい!!」
「え…、やだ…。」
「兄さん!?もう!本当に気をつけてよ?!無理してこんな奴の相手しなくていいんだからね!?強姦されそうになったらすぐに連絡してね!?」
「俺も好きだから同意の上だよ。大丈夫。」
「そういうことじゃなくてぇ〜!!もう……。兄さんって意外と盲目だよね…。じゃあもう僕行くから!またお正月に実家顔出してくださいねっ!」
「うん。大翔も気をつけて。受験頑張って。」
バタンっとドアが閉まり、まるで嵐が去ったように静かになる。
夏月は背中からぎゅーっと俺を抱きしめて、顔を覗き込んできた。
「さっき拗ねてた?」
「なんで?」
「俺と大翔が言い合いしてる時、ちょっとムッてした顔してた。」
「ふっ…。俺のこと見過ぎ。」
「で、何であんな顔してたんですか?」
「呼び捨てすんの早いな〜ってちょっと妬いただけ。気にしないで。」
「え〜〜〜!!!かわ!綾人さん超かわです!」
「かわってなんだよ。」
「可愛いのかわです〜♡」
抱きしめる力が強まり、おまけに頬擦りしてくるものだから苦しくて夏月の腕を叩く。
夏月はハッと気づいて、少しだけ力を緩めた。
「呼び捨て嫌だった?戻しますね。」
「いいよ、そのままで。夏月は俺のこと好きだって知ってるし。」
「ん〜♡かわいい〜♡俺に愛されてる自覚やっと出てきたんですね♡♡」
「俺もそれくらい好きだからな。」
「愛してますっ♡♡♡」
夏月は俺の頬にちゅっちゅとキスしながら、さり気なく前に回した手で乳首を捏ねる。
「野蛮人…」
「ぷっ…(笑)まぁ否定できませんね。」
「ちょっと意味合い違うけどな。」
「本能のままに生きてます。」
「その結果がこの手だよな。」
乳首を勃たせようとする困った手を掴むと、夏月はぷくっと頬を膨らませた。
「もう邪魔者は帰ったし、俺とえっちな時間じゃないんですか〜?」
「腹減った。飯食いたい。」
「ご飯食べたら、明日まで24時間耐久セックスしましょ♡」
「殺す気か?」
「俺も綾人さんいっぱい摂取しないと死にます♡」
「………いいよ、わかった。その代わり、飯とトイレはさせろよ?」
「はーい♡」
夏月はいつ用意していたのか、大翔が来た初日のように精のつく料理を食卓いっぱいに並べた。
食後には精力剤まで用意されていた。
「本気なんだな…。」
「頑張りましょうねっ♪」
こうして、俺と夏月の24時間耐久セックスが始まった。
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