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45話
キーパーも少し待ったが、答える様子がないのを見て、コバルトブルーの背に周りナイフを取り上げる。
「あっ」
ナイフを持っていた手が空になり慌てて声を上げた。キーパーは海を担ぎ上げた。
「おい!どこに連れて行く気だ?」
「私で契約が成立しなければ、王が連れてこいとのご命令です。今は寝ておりますので明日の朝面会して頂きます」
「嫌だ!離せよ!」
海はもがくが、余計に糸が絡まっていく。
地下牢にたどり着くと、糸を外されそのまま放り込まれた。
「今日の食事は運んで頂きましたし。明日の夜までには解放されるでしょう。朝までここで待っていなさい」
海は項垂れるが、諦めたように横になった。
「仕方ないなー、おとなしくしてるよ」
と海は後ろ手を振った。キーパーはそれを見てその場を後にした。
キーパーが居なくなったのを確認して起き上がり、あたりを見渡し脱出の手段を探し始めた。
しかし、どこも外れる様子はなく、鍵もピッキングしようとしたが特殊な鍵で、数時間粘ったが解けず海は投げ出した。
「あー!くそ!蔵之介以外に閉じ込められるなんて!」
海は格子を蹴って、頭をかきむしり横になった。
脱力して天井を眺めてから、横を向いて目を閉じた。
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