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75話 初めての関係
「何がだ?」
蔵之介はお腹の辺りを手で探るとそこには蜘蛛の糸が張り巡らされている。確認すると、胸元 にまでその糸は伸び、ビアンカがからだの一か所に触れるだけで全身撫でられているような感覚だった。
「糸が、全身に?」
「ああ、この方が全身に感覚が伝わるだろ?」
蔵之介が頷くと、ビアンカは襦袢の紐をほどき脱ぎ、全裸になった。蔵之介は思わず目をそらす。
「蔵之介、見て」
ビアンカに言われ、蔵之介はビアンカの体を見た。目をそらした理由がそこにある。ビアンカの真ん中で先ほど風呂場では垂れていたそれが立ち上がって赤くなっている。さらに先ほどの倍ほどの大きさがありそうだ。
「その、それ……」
蔵之介はビアンカの顔を見ると、体を重ねられた。
「怖い?」
ビアンカの声が耳元で聞こえる、頬がふれあい、重なるビアンカの体は先ほどとちがい熱くなっていた。
怖くはない、怖くは無いけど
「緊張する」
蔵之介はそう小さく言うと、ビアンカは顔を離した。
「蔵之介はずっとそうだな。ここに来た時から、僕と話すときは緊張していた。なぜだ?」
「そ、それは」
特別だから。これはゼノスにも話したことだけど、本人に面と向かって言うのは恥かしい。
ビアンカの目を見ると、ほほ笑み見つめ返してくる。すごく綺麗でもっとと何かを求めてしまう。ビアンカと溶け合いたい。
「蔵之介、ここを」
ビアンカはそういって、蔵之介の手をビアンカの胸に触れさせた。
そこから伝わってくる熱と、鼓動は熱く早い。
「少し落ち着かないとな。でも蔵之介を見ているといつもこうなんだ。すごく触れたくなる。
それをずっと我慢してたんだ。君はまだ僕を求めていない。それに触れることは許されていないんだ。」
ビアンカは蔵之介のおでこの髪をよけ、そこにキスをした。
「どういう事?」
「法で決まっている。ジュブナイルに性的な意図を持って触れるのは、ジュブナイルが求めている時以外は禁止とされている。初めて裸の姿を見たときすごく胸が熱くなった。ずっと我慢して、君の心と体を守ろうと決めていた。そして時が来て触れるのは僕が一番最初にしたいと。なのに……」
ビアンカはそこまでいうと、蔵之介に触れる手に力がこもった。
「ビアンカ?」
「許せない。君に触れ、精の肉を君にこすりつけた。そして、蔵之介を気付つけた」
ビアンカは怒っている。表情にそれがあまり見えないが、蔵之介の背中触れるビアンカの手が震えていた。
ビアンカをもっと求めて良いと、だれも止めてはいないとピーは言っていた。これは、蔵之介がジュブナイルでビアンカは法を守り、蔵之介の心も体も守ろうとしていたからなんだ。
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