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76話

 それが分かり、蔵之介はビアンカの背中に手を回した。そして自ら身をビアンカの体を引き寄せ抱きしめた。 「ビアンカ、もっと触って」  蔵之介が言うとビアンカは蔵之介の背中を撫でた。 「その意味は分かってるのか?」 「うん」  ビアンカの問いは正直分からなかった。初めてすることだから分からない。けど 「初めてするなら、ビアンカがいい」 ビアンカはそれを聞いて蔵之介を組み敷いた。  唇を重ねると、すぐに舌を絡ませ深く蔵之介を求めた。  蔵之介は興奮するビアンカを受け入れようと抵抗しそうになる手をビアンカの背に回し握りしめた。  苦しい、けどビアンカとの交わりは気持ちが良い。  ビアンカの手は蔵之介の胸から腰、その下まで伸ばされた。  蔵之介はそこを触られる感覚に体をこわばらせる。ビアンカは荒く舌を絡めていたが、何かに気付き唇を離して、触れたそこを見た。 「ビアンカ?」  ビアンカは何も言わず、触れているそこの形を確認するように指先でなぞる。 「んっ」  蔵之介は声を漏らした。 「蔵之介、いつからだ?」 「何が?」 「いつから勃つようになった?」  蔵之介は、混乱して自分の下半身へと視線を向ける。そこには自分のものがまだ見たことも無かった姿で固くなっていた。 「え?あれ?」  蔵之介は自分でもそこに触れ、状態を確認するが今まで感じたことのない硬さがそこにはあった。 「勃ったのは初めてなのか?」 「う、うん」  蔵之介は戸惑いながら答えると、ビアンカは嬉しそうに笑った。 「ならいい」  そしてビアンカは蔵之介の硬くなったそこを手のひらと指で撫で刺激を与える。 「ビアンカ、待って。初めてだから。俺どうすればいいのか……」 「大丈夫、僕が知ってるから。蔵之介はそのままでいればいい」  ビアンカはそういうと、布団をよけ身を起こした。蔵之介の足の間に体を居れ、肩に蔵之介の足を乗せる。  蔵之介は何をされているのか分からず、恥かしそうにビアンカを見ていた。 「な、何するの?」 「気持ちよくするんだ」  そっと蔵之介の初めての熱を口に含んだ。 「ひぅっ、あ、やだ、駄目っ」  ぬるりとした舌が先端を刺激する。頭を動かされ、そこに吸い付かれると今まで感じたことのない快楽と快感が意識を襲う。 「やだっ、ビアンカっ、ぅあ」  ビアンカは目線だけ蔵之介に向け口の中で蔵之介の熱を絞り出そうと手でも刺激を与えた。  このままではおかしくなってしまう。セックスの感覚は小説でも読んだことがある。イくときはおかしくなる、それは何度も見てきた表現だ。それは本当だったんだと身をもって認識した。  こんなの、駄目だ。でも気持ちい。抵抗しようとするが、もっと欲しい。その感情から力が入らなかった。今まで味わったことのない刺激に意識がもうろうとしてくる。

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