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77話

「ビアンカっ、きもちい、いっちゃう」  いく感覚なんて知らない。けどこれがその感覚なんだと今なら理解できる。 ビアンカは下のまるいふくらみにも指を伸ばし優しく揉みこむ。頭を前後に動かし、口元ではじゅぶじゅぶと音をたてながら、蔵之介の亀頭の根本や先端に舌を這わせ る。蔵之介は身をよじり、上半身だけ横を向きシーツを握りしめた。怖いイくのが怖い。なのに気持ちいい、ビアンカにならもっと触れて欲しい……どこまでも奥へ。 「ひっう」  声を堪えていた蔵之介はこらえきれず声を漏らし、腰をそらし熱を放出した。  ビアンカはそれを感じて動きを止めた。  口の中に広がる熱を味わい、さらに吸い付き、残っているものを吸いだした。  その行為に満足すると蔵之介の小さくなったモノから口を離し、出された熱を飲み込んだ。  蔵之介はまだイった余韻におぼれていて、何が起きているのか理解してなかった。 「っう」  目から一筋涙が流れた。  ビアンカは体を起こして、蔵之介の体に再び体を重ねる。 「ぅ、今は、やだ」 「わかった」  ビアンカは蔵之介から体を離し、隣に横になった。蔵之介は脱力し、はあはあと息を切らせている。  ビアンカは蔵之介の頬を指で撫でる。触れたくてたまらないというビアンカの感情がその手から伝わってくる。  これがイク感覚。それをかみしめるように目を閉じた。  蔵之介は呼吸が落ち着いてくるとやっと視線をビアンカに向ける。ビアンカは蔵之介と目が合うと頭を撫でた。 「落ち着いたか?」 「うん」  蔵之介は返事をしてビアンカの胸元に頭を摺り寄せた。  ビアンカも蔵之介に近付き抱き寄せる。 「どうだった?初めての感覚は」 「すごく気持ちよかった」  蔵之介の手がビアンカの背中に回される。少しでもビアンカを感じたい。体を寄せると、まだ熱いビアンカの熱が蔵之介の体に触れた。  少し驚くが、蔵之介はそっとそれに手を伸ばした。  先ほどビアンカが蔵之介にしていたように、蔵之介もビアンカのそれを指でなぞり形を確認した。 「おっきい」  蔵之介はつぶやくように言う。それは巨体に押し付けられたものよりは小さいが、その存在感はそれに勝っていた。 「これ、俺の中に入れるの?」  蔵之介は恥ずかしそうに聞いてビアンカの顔を見た。  ビアンカはほほ笑んで、蔵之介の後ろの割れ目に手を伸ばす。 「ここに入れるんだ」  ビアンカの滑らかな指が蔵之介の萎みをこすると、蔵之介は動揺したように目を泳がせた。 「どうした?」 「あの、なんでも」 「本当に?」  ビアンカが聞くと蔵之介は渋るような顔をして、ビアンカを上目遣いでみた。 「ビアンカの、こすりつけて欲しいんだけど……」 「こすりつける?……ここにか?」  ビアンカは割れ目を指でなぞる。

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