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91話

ビアンカは蔵之介の腕、胸、腰、太ももと撫でていく。 そこに糸が伝い、糸が潤滑油の役割をはたし滑りを良くした。前にも受けた感覚だが、まだ慣れない。普通に触られるのと違い、撫でられた箇所から糸の繋がる箇所に感覚が伝わる。それは心地よくて、気持ちいい。 「んっ」  蔵之介は思わず声を漏らす。  王の指が乳首にふれ、そこに糸が繋がり手が離れても引っ張られる。そして糸が外れ乳首は弾みもとに戻る。  その弾みに再び蔵之介の口から声が漏れる。  何度もそれを繰り返され、乳首は硬さを持ち始めていた。  ビアンカはそれを口に含み、吸い付いたり舐めたり、舌でこすったりと蔵之介の反応を身ながら繰り返した。  前回の行為で分かったのは、ビアンカはすごく行為の一つ一つに丁寧だという事。それはじれったくもあるが、大切にされ愛されてる様に感じ、蔵之介はそれをとても愛しく思えた。  蔵之介はビアンカの愛撫を受け、体をくねらせる。しかし抵抗はしなかった。  自分の役目は子供を生むこと。ビアンカとのなら嫌じゃない。  異色の性刺激を体はとろけそうだった。 「人間と言うのは、こんな刺激で悦ぶのだな?」 「蜘蛛は違うの?」 「蜘蛛とすこし違うな。蜘蛛同士なら触れ合う事より、縛られたり、見られることを好むものが多い。もちろん触れ合うことを好むものもいるけどな。」  蔵之介はビアンカの肩に手を触れた。 「ビアンカはどういうのが好き?」  蔵之介が聞くとビアンカはふふっと笑った。 「僕は蔵之介が気持ちよくなってる姿を見るのが好きだよ」 「じゃあ、触れられるより俺がっ、あっ」  蔵之介が話してる間にビアンカは口に含んだ硬くなった乳首を甘噛みした。 「急に噛まないで……」  ビアンカは思わず笑った。 「蔵之介のそういう反応が好きなんだ。こらえきれず、耐えられず声を上げてしまう所とか。感じて声を漏らすところとか」 「ビアンカが好きでも、俺は困るよ」 「何が困るんだ?」  ビアンカは蔵之介の乳首をちょろっと舐めた。 「そんなところ、はずかしいだけだし。俺はビアンカに触ってもらえるだけで嬉しいから、あんまり刺激されるとおかしくなっちゃいそうなんだ。だから、優しくして」 蔵之介がいうと、ビアンカはいつになく楽しそうに笑った。 「それならそうと先に言ってくれれば、普段からもっと触れ合えたのに。なんで言ってくれなかったんだ?いつも緊張していただろう?」 「それは、……好き……だから。恥かしくて言えるわけないでしょ。それに緊張するものだと思うんだけど……」  ビアンカは蔵之介を唐突に抱きしめた。 「すごくかわいい」

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