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113話

「私の糸を使って、蜘蛛の網を作ってみてください」 「蜘蛛の網って蜘蛛の巣だよね」 「そうです」 「えっと」  ゼノスが出した糸と木の枠組みが目の前にあった。 「このべたつきのない糸を軸にして、“繋留糸”を張り、“付着版”で枠にくっつけて、“枠糸”と“縦糸”を作る、真ん中に宿主の住処となる“こしき”を作って、あとは“横糸”には“粘着球”のついた糸を張っていく」 「蔵之介様聞いてたんですか?さっき聞いてないと言ってたのに……。ちゃんと出来てます」 「え、でも手順あはあってるのか分かんないんだけど」  ゼノスは綺麗にできた蜘蛛の網を見て感動していた。 「私の糸でもこんな綺麗な網を作れるんですね。私も頑張ります」  ゼノスの方がやる気を出して網づくりの勉強に熱心になり始めた。  授業が一通り終わると、部屋に戻って横になった 「あー疲れた」 「お疲れ様です」  疲れはしたがすごく勉強になった。知らなかったことが分かるようになっていくのは楽しい。  夕食の時間になり、ビアンカに会えるかと思ったがまたビアンカは王の任務で忙しいようで会うことはできなかった。ビアンカに会えずしょんぼりして部屋に戻った。でも任務なら仕方ない。  蔵之介は風呂からあがり自分の部屋のベッドで横になった。 「ビアンカの部屋で寝ちゃダメかな?」 「大丈夫ですよ。いつでもお連れしていいと言われています」  蔵之介は少し考えてから起き上がった。  このままベッドで横になっていても眠れそうに無かった。ビアンカのぬくもりが欲しい。  ゼノスとビアンカの部屋に向かい、ゼノスは部屋をノックしたが返事は無かった。  蔵之介はドアを開け、中に入った。部屋の中には明かりがついている。  つけっぱなしで出かけたのだろうかと蔵之介は部屋に入り、ベッドへ向かった。ベッドに乗り横になると、枕からビアンカの香りがする。この匂いがするとすごく落ち着く。  うとうとしかけたころ室内のドアから物音が聞こえた。風呂場の方からだった。  蔵之介は起き上がり、ビアンカがいるのだろうかとそのドアの前に向かった。  ドアを開けると、ビアンカが全裸でピーに髪を束ねて貰っている所だった。 「わっ」  蔵之介は驚いて声を上げ慌ててドアを閉める。 「ご、ごめん!音がしたからつい」  蔵之介は顔を真っ赤にした。蔵之介の見たビアンカの裸は、下半身のものが熱を持っていた。 「蔵之介、すまない、すぐに出るよ」 「う、うん。ベッドにいる」  ベッドにいると言ってからさらに恥かしさがこみ上げる。  これじゃあ期待しているかの様な返事だ。

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