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115話
初めて勃ってからだいぶたった。その間何度か硬くなったが自分で出すことが出来ず、熱がおさまるのを待つしかなかった。
「なんで言わなかったんだ?」
「恥かしくて言えないよ……」
蔵之介はビアンカの顔を見た。キスをしたい。そう思ったけど、出来ずにいるとビアンカは蔵之介の唇に吸い付いた。
ビアンカは手についた蔵之介の熱の液を蜘蛛の糸で包み玉状のスペルマウェブにして、ベッドの外に落とした。
蔵之介を抱きしめ、さらに求めるように唇を重ねる。
挿れたい……
ビアンカの欲求が高まり、蔵之介の上に覆いかぶさった。
しかし、卵を産んだので中に挿れるわけにはいかない。ビアンカは堪え蔵之介を強く抱きしめた。
蔵之介はそっとビアンカのものに手を伸ばし下着越しにそこに触れた。ビアンカはびくりと体を動かし体を起こす。蔵之介は恥かしそうにビアンカの下半身の方に目を向け、下着をずらして直にそこに触れた。
「俺も、ビアンカのにするよ」
蔵之介は熱で硬くなり、お腹につきそうなほどのそれを掴み、下の二つのふくらみにも指を伸ばし柔らかくこね始めた。
蔵之介の指が何度か玉を揉み込み、茎の部分へ手のひらが移動し、先端まで手が動き、それがまた根本へと下がる。なれていない手つきと、ためらいがちな動きでビアンカはくすぐったさを感じ、クスリと笑った。
「ご、ごめん、変だった?初めてだから」
蔵之介は戸惑い手を離そうとするが、ビアンカの手に元に戻される。
「大丈夫、気持ちいいよ。続けて」
ビアンカの熱い息が耳に触れ、蔵之介はぞくぞくと体を震わせた。
「蔵之介、さっきみたいに下の方を揉んで」
「うん」
蔵之介は言われた通り、玉の方を揉む。
「少しそれを繰り返したら、全体を擦って、先端を撫でて」
ビアンカの指示を受け、蔵之介はその通りに手を動かした。
数分その動きを繰り返したがビアンカはなかなか達しなかった。
「気持ち良くない?」
蔵之介が不安げに聞くと、ビアンカは蔵之介を頭を撫でた。
「気持ちいいよ。触れて欲しくて我慢してるだけ」
「我慢?」
気持ちいいと達してしまうのに、我慢なんてできるのだろうか?と蔵之介は先ほど達してしまったのを思い返した。あれを止めるのなんて困難だ。
「蔵之介、そろそろイくよ」
ビアンカの唇が蔵之介の耳に触れ、そっと舐めた。
「んんぅ」
蔵之介はくすぐったさに声をもらし、肩を竦める。
ビアンカは蔵之介のその甘い声を聞いて、熱を放出した。放出した熱は蔵之介の服にかかり、染みを作った。
ビアンカが達してくれたことに蔵之介は安心して、手を離す。ずっと動かしていたせいで腕がつかれていた。
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