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126話 繋がるクリスマスプレゼント

 蔵之介は持っていたプレゼントの包みをビアンカに差し出す。 「これ、俺からのプレゼント。中身は知ってると思うけど」 「ありがとう嬉しいよ」  ビアンカはそれを受け取り、蔵之介の唇にキスをした。  そしてプレゼントの袋を開けると蔵之介の編んだ白いマフラーが入っていた。ビアンカはそれを取り出し口元に寄せ、それを肌で堪能し、目を閉じた。 「あったかい」  蔵之介はそれを見て、照れながら言う。 「首に巻いて上げる」  蔵之介はビアンカからマフラーを受け取り、ビアンカの首に巻いた。長めに作ったそれの端を持ちながら蔵之介はつけていたマフラーを取る。  ビアンカは何かと驚いたが、蔵之介はビアンカの首に繋がったマフラーを自分の首に巻きつけた。 「この長さにしたのは、これをしてたかったからなんだ」  お互い首に巻かれたマフラーで繋がっていた。 「蔵之介はすごいことを考えるな」 「ビアンカってあまり照れてるの見ないからこういうの照れるのかなと思ったんだけど、これも照れないね」  蔵之介が言うとビアンカは蔵之介を抱き寄せた。 「このまま散歩に行こうか」  巻かれたマフラーの端をゆらし、蔵之介の肩を抱いてビアンカは部屋の外へ出た。 「え、そんな。外に出るためにやったんじゃないのに」 「マフラーは外に出るときの防寒着だろ。つけたら外に出なくては」  ビアンカが嬉しそうに言ってほほ笑んだ。  ビアンカを照れさせようとしたのに逆手に取られ、こんな仲良さそうな姿で城の中を歩くことになるのは蔵之介には想定外だった。  蔵之介はビアンカに貰った帽子を深めにかぶって、マフラーで口元を隠した。その行動が蔵之介の赤い顔を際立たせているなんて考えもしいなかった。  ビアンカと城の中を進むとどこからか聞き慣れた曲が聞こえてくる。聞き間違えることはない。それはジングルベル。 「この曲……」 「行ってみようか」  ビアンカは蔵之介の背中を押した。  通路を進むと、そこには大きなモミの木が立っていた。それにはカラフルな飾りと、ジンジャーマンの飾りに白い綿の代わりの蜘蛛の巣が綺麗に飾られていた。三階の通路だというのに木のてっぺんは見上げるほどもあり、上には星が飾られている。 「すごい、クリスマスツリーだ!」  ツリーの下では子供たちが集まり、そこに準備されたステージで曲が演奏されていた。 「昨日までなかったよね?」  蔵之介が振り返り聞くとビアンカは頷く。 「クリスマスは特別だからね。その日にしか飾り付けはしないことになってるんだ」 「まさかここでもクリスマスをするとは思わなかったよ」

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