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136話

 ビアンカの暖かさと、湯船の暖かさで蔵之介はうとうとしはじめた。  ビアンカに頭を撫でられると心地よい。その手が首、肩、胸、お腹へと撫でおろされ、太腿を内側から外側へと撫でられる。  それを過ぎると、お腹へとては納まり、蔵之介の体を抱きしめた。  ただくっついているだけで幸せを感じられる。 「このまま離れたくないな」  蔵之介はつぶやくように言った。 「いいよ、ずっとこうしてよう」 ビアンカの声が浴室に優しく響いた。ビアンカの声と、呼吸と、たまに落ちる水滴の音。動くと揺れる水面の音。それだけが二人を包んでいた。 「今日の、ビアンカに似た人は誰だったの?」  蔵之介は頭だけビアンカの方へ向ける。 「あれはワイトだ。僕の弟だ」  ビアンカは顔を上げていった。 「可愛い弟だよ」  ビアンカは笑いながら言った。 「可愛い弟なのにいきなり攻撃したの?」  蔵之介に言われ、くすくすとビアンカは笑った。そして蔵之介の唇に唇を重ね、舌を絡ませた。  誤魔化そうとしてる……  蔵之介はそう思ったが、ビアンカの下半身の熱が硬くなっているのに気付き、体を返しびあんかを抱きしめた。  今、ビアンカが言いたくないならきっと聞く必要はない。  明け方、陽が昇る前にビアンカに起こされた。着替えてマフラーをして外に出ると吸い込む空気が冷たい。ビアンカに肩を抱かれ歩く城の中は、まだクリスマスの飾りがまだ輝いていた。 「日が昇ったら片付けるからその前に一緒に見たかったんだ」  蔵之介は嬉しくなり、ビアンカの腰に手を回した。 「俺も一緒に見たかったんだ」  二人は寄り添い歩きながら、城の中のイルミネーションを見て回った。どこも静かで、誰もいない。世界に二人だけしか居ないんじゃないかとおもえる静けさだった。  ただビアンカと二人で歩いているだけで嬉しくて幸せだった。不思議なくらい満たされる。  見回りながら、ビアンカは飾りについての解説もしてくれた。どこもこだわって配色を決めたり、壁の色によって色をかえてるとか。  見る角度によって見え方が変わり、通路を歩き始めた時と、歩き終えた時で色や柄が変わるイルミネーションもあった。  一通り部屋に戻り、再び布団に二人でもぐりこみ夜が明けるまで寄り添い眠りに落ちた。  次の日、蔵之介の部屋のドアは治され部屋に戻った。  すると部屋に大量のプレゼントが届けられていた。  昨日のプレゼントで、その中でも危険性のないものをビアンカが選別してくれたらしい。 「ビアンカってそんなこともしてるの?仕事多くない?」

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