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第3話

「光!光!」 「んー...もう少しだけ...」 隣で寝ている光を必死に揺らすがなかなか起きようとしない。 なかなか寝起きが悪いようだ。 昨夜、散々、飲み歩いた覚えがあるから致し方ないのかもしれないが。 「光!起きて!」 思わず、光の背中をパン!と叩いた。 「いった...なにすんだよ...てか、なんで晶がいんの」 寝ぼけ眼の光が晶を見上げ、素っ頓狂な声。 「それは俺も同じだよ」 「...て、待って!ここラブホじゃん!」 ようやく目を覚ましたらしい光は上半身を起こし叫ぶなり、頭を押さえた。 「飲みすぎたかも...」 「俺も...」 ふと、互いに掛けていた布団を徐に捲り、同時に目を丸くした。 互いに一糸まとわぬ、全裸だったからだ。 「...なんで...?俺、ネコなんだけど」 「...俺も...ネコなんだよね...」 その時、けたたましく、ラブホの電話が鳴り、晶が取ると、退室を知らせる、フロントのおばちゃんの声だった。 「と、とりあえず、腹減ったし、なんか食い行こうか」 「そ、そうだな」 2人はいそいそとベッドの下に投げ出されていた昨夜着ていた服を身にまとった。

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