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第11話
「ネコとかタチだとかで悩むとかナンセンス、て言われた。そんなのどうだっていいんだって、好きかどうか。セックスしないカップルだっているとか」
光の真っ直ぐな瞳を晶は見据えた。
「俺...お前が好き。一緒にいたら凄い楽だし楽しいし」
「お、俺も....」
晶が答えると、光が顔を寄せ、瞼を閉じると光がキスをした。
互いに瞼を閉じ、唇の感触を確かめるようにキスをした。
「あ、あと、ごめん」
いきなり、光に謝られ、晶は瞼を開けた。
「寝込み、襲った」
「え」
ラブホの時、自宅の時、酔っ払っている晶とどうにかセックス出来ないか、試していたこと。
元々は晶の体を見てみたい、と脱がせたのは光だった。
柔らかそうな白い肌に自分の肌を重ねたらどんな感じだろう....と光も脱ぎ、抱きしめてみたらしっくりきた。
興奮したので晶をフェラしてそのまま寝ついていたことを光は白状した。
「....許してくれる?」
申し訳なさそうに上目がちで謝罪する光に唖然としたが、すぐに晶は笑顔を向けた。
「これからはコソコソやんない、て言うなら許す」
「わかった。もうコソコソやんない」
再び、どちらからともなくキスを交わし、舌を絡ませた。
ネコカップルが誕生した。
次の夜には、光と浮気した、元彼と出会ったバーに晶は光を連れて、顔を出した。
付き合い始めたことを知らせるとマスターは最初、びっくりしたが、喜んだ。
「浮気した男がまさかのキューピットだったとはねえ」
テーブルの下、貝殻繋ぎした晶と光は見つめ合い、微笑んだ。
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