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第16話
しばらくすると、晶はすやすや眠りにつき、光はブランケットを掛けてやった。
晶の寝顔を凝視した。
長いまつ毛、ツン、と先の尖った小さな鼻、小さく薄い唇。
自分も晶と同様、小柄で細身の体格であどけない顔だとは認識しているが、同じネコでもどうも晶とは違う気がした。
晶はあどけない、というより、どちらかといえば、可愛らしい、女顔だ。
声変わりしてはいるんだろうが、男にしては普段から少しキーが高い。
それに、本人も無意識なんだろうが、たまに女の子のような口調になるときがある。
晶の風貌から、それらは一切、違和感はない。
「....男性ホルモンの問題なのかな」
もしかしたら、晶は男性ホルモンが薄いのかもしれない。
体毛が薄い自分ももしかしたらそうかもしれないが、自分以上に。
光は思い返してみれば、言い寄られるのが、タチばかりで、ネコや受けの子との接触が今までなかった。
あったとしても、小柄で細身で、女顔ではないが、あどけない顔立ちの自分に、ネコや受けは興味を示さなかっただろう。
「...晶はバリネコ、なのかもな」
肘を付き、可愛らしい寝息を立てる晶の長いまつ毛を見下ろした。
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