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第28話
晶と光の、同性婚、しかも国際結婚して、5年になる、類とマフィへの興味は止まらない。
「じゃ、プロポーズして、類さんはしばらくイタリアに?」
「うん。僕もマフィの熱意が嬉しくて。そのまま、籍を入れて。マフィの御家族はマフィはカミングアウト済みだったし、紹介されて。小規模ながら、式を挙げたよ」
「凄い...」
「素敵...」
晶と光がハートの眼差しで類を見つめる。
不意に、晶は類の左手の薬指にある指輪に目を留めた。
類の隣にいるマフィの左手の薬指にも同じ指輪が光っている。
「ペアリング...。結婚指輪ですよね?やっぱり、給料三ヶ月分なんですか?」
類が一瞬、目を丸くした。
マフィはなんの事だろう、と首を傾げている。
「一緒にジュエリーショップに行って、お互いに気に入ったデザインを選んだだけだよ」
類は手の甲を見せると苦笑した。
「あ、そ、そうなんですね」
「イタリアにも一応、2人の住居があるんですよね?」
光が尋ねる。
「ああ。僕がイタリアに行ったときはそちらに泊まるよ。結婚してしばらくして、購入してリメイクした一軒屋なんだ」
「でも、離れ離れで、不安じゃないんですか?浮気してるんじゃないか、とか」
晶が聞くと、類は微笑んだ。
「お互いに浮気はわからないようにね、てルールがあるから」
晶と光は驚きを隠せない。
「....大人だ。僕なら許せないな。結婚相手をボコボコにする」
晶の本音に光が若干、顔を強ばらせ、類とマフィは笑った。
「今は遠距離だから仕方ないし。いずれはマフィがオーナーのイタリアにある店、僕もバイトしてたけど、日本にオープンさせたら、マフィも日本に住むつもりらしいけど」
「へえ...本場のイタリアからのチェーン店か、凄いな」
晶が素直に感心した。
「ビザの関係がなかなか面倒でね。それに、何処にオープンさせるか、敷地や物件も、日本に来たときに確認に来てるんだ」
マフィが語った。
「就労ビザを取るか、永住権を取るか、悩むところだよね、マフィ」
「うん。早く一緒にいれたらいいんだけど、ごめんね、類」
マフィは類の後頭部を抱き、唇に優しいキスをした。
晶と光はオープンな2人にまた同時に目を丸くした。
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