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第29話

パーティもお開きになり、類とマフィの隣の部屋のダブルベッドで晶と光はアルコールも飲んだというのに、寝つけずに並んで横になっている。 「あっ....あ、マフィ、いいよ、凄く、いい....っ!ああっ....あんっ」 壁越しに聞こえる類の喘ぎ声。 「...さぞかし情熱的な夜を過ごしてるんだろうね...」 「だね、初めて聞いた。店長の喘ぎ声」 そのまま、また晶と光は天井を見上げる。 「ああん...堪んないよ、マフィ...!ああ...っ、あ、あっ....!」 不意に。 光が無邪気な顔をし、晶を向いた。 「覗き行かない?晶」 「の、覗き!?」 「うん。気になるじゃん、店長とマフィのセックス」 「そりゃ...でも、見つかったら...」 「かなり盛り上がってるみたいだし、コソッと覗けば気づかないよ、きっと」 ひょい、と光はベッドを降りた。 「ひ、光、本気?」 「うん。ほら、晶も行こうよ」 「行こうよ、て、そんな気軽に....?」 興味がない訳ではない晶は光の背後にくっつき、部屋を出ると、類とマフィの部屋の前にしゃがむ。 「開けるよ?」 晶にしか聞こえない程度の小声で、光はゆっくり、ドアを開けていく。 ベッドの上では互いに長身で手足の長いスタイルのいい2人が激しい行為の真っ只中だ。 類の膝を抱え、マフィが類の顔を見つめ、たまにキスしながら、かなり激しいピストンをしている。 「凄い」 思わず、晶が呟いた。 正常位な為、仰向けな類が2人の気配に気づいてしまった。 「そんなとこで覗いてないで、間近で見たら?」 ドアを微かに開け、しゃがんで覗いていた2人に類が笑った。 類に挿入したまま、マフィも振り返り、晶はビクッとした。 「なんだ、見ていたの?」 特に驚く様子も怒る気配もない。 マフィは手招きした。 「2人もおいでよ。一緒に楽しもう」 光ももちろんだが、晶は特に唖然となった。

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