2 / 15

第2話

「俺に興味出てきた?」 ハルキを見て笑うヒロは彼が言った年齢には見えない可愛いものだった。 「22歳です。名前はヒロ」 サイトで知り合った青年。 年齢も名前も嘘かも知れない。もちろんハルキも……年齢は少し若く言ってしまった。 1回ポッキリの関係のはずだった。 でも、ヒロは可愛くて……どうして援交をしているのか気になっていた。 アイドルみたいに綺麗な顔。 モデルやタレントでやれそうなのに。 「興味………あるかもな。ヒロは可愛いし、事情あるのかな?ってね」 「…………あるって言ったらどうすんの?助けてくれんの?」 自分の答えを待ってる感じの瞳。 「借金あるとか?」 ハルキの質問に首を振る。 「俺ね、性的虐待されてんの……母親の再婚相手に」 「…………」 聞いてしまい後悔した。 性的虐待?本当に? 黙ってヒロを見つめる。 しばらくして、「うそ!」 ニコッと笑うヒロ。 「ほら、早く帰らなきゃ!終電逃すよ」 笑顔でハルキにそう言った。 うそ? 本当に? 少しホッとして、「ああ、そうだな」と笑い返す。 浴室のドアを開けて、 「お金は置いておくから………次は」 「また、水曜だろ?いいよ、空けておく」 ヒロはハルキにヒラヒラと手を振る。 パタンとドアが閉まるとヒロは息をつく。 まじ、激しいんだよ! 後ろを擦る。 毎週、水曜に会う男。 名前は宮本春希。 41歳。本人は35歳とか言ってた。 微妙な年齢詐称に笑った俺。 妻あり、子供なし、会社社長。 よって置いていくお金は高額で他に客を取らなくて済む。 ハルキって本名名乗る馬鹿正直………上玉な客。 ヒロは泡風呂の栓を抜き、シャワーで身体についた泡を落とす。 タオルで拭きながらベッドへと向かう。 ベッドの上には万札が10枚。 1回で10万かあ。コンビニバイトなんて1時間いくらの世界なのにさ。 ヒロは札を手にすると放置していたスマホを手にする。 メールが2通。 1つはハルキで、セックスの感想が書かれていた。 もう1つは、 何時に帰る?夕食は冷蔵庫の中だよ。と書かれいた。 ヒロはメールに返信しようとするが止めて服を着た。 ◆◆◆◆◆ アパートの自分の部屋を見上げると電気がついている。 帰ってないのかよー! そう思いながら部屋へと向かう。

ともだちにシェアしよう!