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第3話

鍵を開けて部屋へと入る。 入って直にあるソファーに座りうたた寝している男性がいた。 その男性の肩を揺すり、 「起きてよ、アキオさん」 声をかける。 「ん………」 薄目を開けて自分を見るアキオ。 「おかえり翼」 ヒロをそう呼んだ。 ヒロは身体を売る時の偽名。 ある時は翔だったり、潤だったり……アイドルの名前を勝手に名乗っていた。 ハルキと会う時のヒロという名前は好きだった仮面ライダーの役をしていた俳優の名前。 本名は翼。 「帰ってるかと思った。」 アキオにそう言うと、 「帰ってて欲しかった?」 なんて質問をされた。 「ううん……」 翼はアキオの膝の上に跨り座ると唇を押し付けた。 キスをしてくる翼を受け入れるようにアキオも舌を絡ませる。 「……ん、あっ……」 キスを繰り返しながら翼はアキオのシャツのボタンを外す。 「ベッドいこうか?」 キスの合間にアキオに言われたがここがいいとキスを続ける。 アキオに服を脱がされながら、 「バイト……辞めたくせに遅かったな?」 そう質問された。 「もっと、割のいいバイト見つけたんだ……ンんっ」 首筋を吸われる。 「バイトしなくていいっていつも言ってるだろ?大学までなら出せる」 「だめー!アキオさんにはこのアパート借りて貰ってるし……高校の授業料も半分……あっ、」 乳首を吸われ声が出た。 「翼可愛い」 アキオはそのまま翼を組み敷く。 アキオは母親の再婚相手だった。 小学生の時にまだ大学生だったアキオが頻繁に遊びにきてて、いつの間にか義父になっていたのだ。 アキオさん、そう呼んでも嫌がらなかった。 母親が事故で死んでアキオは翼を引き取ってくれた。 身体の関係を持ったのは……高校に入ってから。 高校から1人暮らししたいと言う翼に部屋を借りてくれて、引っ越したその夜。 お風呂に入ってたらアキオがきて、子供時代から入ってたから抵抗なくて、背中を流して貰ってる最中にキスをされて………そして、風呂場で初体験してしまった。 抵抗はしなかった。アキオが薄々自分をそんな目で見ていた事を知っていたから。 いつかはこうなると思ってた。 それからはアキオが来る度にセックスをするようになっていた。

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