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第5話
奥まで届いた瞬間に身体を揺さぶられる。
ギッチリと咥えた場所がジンジンしてきた。
「んん、あっ……くっ、」
小さいソファーがガタガタ揺れて床もミシミシと悲鳴を上げる。
悲鳴をあげたいのは翼の方だった。
明日は学校行けないかも知れない。
そう思いながらアキオの身体にしがみつく。
広げた両脚は蛙みたいでユラユラと動く。
授業で解剖なんてないけど昔、図鑑でみた仰向けの蛙だ。
今の心境は解剖された蛙かもな。
変な考えでもしてないと痛みで声を上げそうで現実逃避を続けた。
◆◆◆◆◆
身体がやはりダルい。
アキオがベッドまで運んでくれたからベッドで眠れたけど、
トイレにも起きたくない。
腰は痛いし、脚の付け根も変な感じ。
なによりも、後ろ。
ちょっと、寝返り打つたびに擦れて痛い。
「翼、学校休むか?」
翼が時間になっても起きないのでアキオは休むと判断したみたいだ。
「ん、ダルい」
「わかった。先生に連絡しとく」
アキオはスーツを着てネクタイを締めながらに言う。
アキオは義父だけど元々若い。
スーツを着て黙ってたら女性がほっとかなさそう。
「ご飯は冷蔵庫にあるから」
「わかった」
「いいこにしてろよ?」
シーツから顔半分だけ出している翼の頭を撫でる。
「いってらっしゃい」
「行ってきます!」
アキオは仕事へと出掛けて行った。
寝なおそう。
翼はシーツの中へ潜り込んだ。
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