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第9話

◆◆◆◆ 高そうなホテルのスイート。 金持ちは違うな……なんて翼は思う。 ダブルベッドに勢い良くダイブすると身体がバウンドする。 フカフカだ。 上等なベッドだから身体にあまり負担がかからないかも。 でも、肝心な穴は挿入されたら痛みが走りそうで怖い。 ハルキが上着を脱いでネクタイを緩ませているのが視界に入る。 覚悟決めなきゃな……… 翼も服を脱ぎにかかる。 「ヒロ……」 ハルキがベッドの側にきて、翼の身体に触れてくる。 脱がせたいのかと脱ぐのを止め、彼からの愛撫を待つ。 ベッドに押し倒され、身体をうつ伏せにされた。 いきなりバックかよ! ジーンズを脱がしてくるハルキに抵抗はしない。 ズルリと下着ごとずらさせた。 お尻が空気に触れる。 ハルキの指先が割れめへと移り、グイっと広げられた。 「やっぱ傷ついてるな……ごめん、乱暴に抱いてしまって」 へっ?と翼は頭だけを動かしはハルキに視線を向けた。 「薬塗るから染みるかも」 ハルキは指先に薬を塗り、そのまま後孔へと塗り込む。 「っ、……」 確かに染みる。 「もうちょっと我慢して」 丹念に薬を塗ってくれて、ジーンズを穿かせてくれた。 セックスをするとばかり思っていた翼は拍子抜け。 「しないんですか?」 思わず聞いてしまった。 「しないよ。今したら切れちゃうよ?痛いのはヒロだよ?」 ハルキはそう言って翼の頭を撫でた。 「今日呼び出したのは純粋に会いたかっただけ……それと、乱暴にしてしまったからさ……歩いてるとき、たまに顔を歪めてたからさ……ごめん」 真剣に謝られた。 確かにハルキのせいでもあるけど、半分以上はアキオのせいだ。 そんなに心配されては良心が痛む………わけないけど、拍子抜け。 「なんだ……そっか」 翼はゴロンとベッドに仰向けになった。 「話もしたいしね」 ハルキも翼の横に仰向けに寝る。 「部屋を借りたんだ。つぎからはラブホじゃなくてソコで会おう」 「借りた?わざわざ?」 「ヒロが来たい時にくればいいよ。生活出来るように全部揃えているから……帰りたくなかったら居ればいいし、もちろん俺は家に帰るし」 ハルキはそう言うと翼に鍵を渡す。 「俺の為?」 「いや、俺自身の為だよ」 ハルキは翼を抱き寄せた。 「キスくらいならしてもいいけど?」 抱き寄せられて翼はそう言った。 「キスしたら抱きたくなる」 遠慮するハルキの唇を奪う翼。 押し付けた唇に舌を挿入すると、ハルキは上に乗ってきた。 舌を互いに絡めながら口付けを味わう。

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