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第13話
「ここで待ってて!」
アパート近くで車を止めてもらった。
「一緒にいくよ」
「路駐になるからヤバイよ?すぐに戻るから」
停めた場所には駐車場はないのだ。
ハルキを残して部屋へと向かう。
まだ、仕事から戻っていない時間だ。
アキオは何かを知っている。
俺をハルキさんに紹介したんだから。
……じゃあ、俺がハルキさんとセックスをしてきたのを知ってたんだ。
知ってて聞いた……
もう、分からない。
鍵をあけて中へ入ると人影が過り、羽交い締めにされた。
口を塞がれ、そのままズルズルとベッドへ連れて行かれた。
ドサッと押し倒されて、口を塞いでいる男を見上げる。
アキオだ。
仕事は?
「翼どこいってた?」
口を塞がれているから答えられない。
「セックスしてきたんだろ?」
アキオの様子が何時もと違う。
凄く怖い……あの風呂場の時みたいな……ジワリとくる恐怖。
塞がれていた手が離れた。
「アキオさん仕事は?」
冷静を装って聞く。
怯えるとおしまいな気がしたのだ。
「様子を見に来たんだよ……そしたらいないから」
アキオの手はシャツの中へ。
「セックスしようと会社抜け出してきたのにお前はいないんだもの」
シャツの中の手は乳首を弄る。
「アキオさん……きいていい?俺の父親って」
ハルキさんじゃないよね?
そう続けたいのに唇をアキオの唇で塞がれた。
くちゅりと唾液の音がして、舌がからんできた。
やだ………、
いや…………、
翼は抵抗するようにアキオの身体を押す。
すると、唇が離れた。
「翼の父親………俺だよ?」
身体が凍りついた。
いま、なんていった?
「ミオをレイプしたんだ」
「………なに?いって………」
声が震えた。
「いくら好きだと言っても俺が高校生だから…とか、アイツが好きだからとか……」
アキオはそういうと翼の服を引き裂いた。
いきなりの事で翼は声をだせない。
「こんな風に………無理矢理抱いてやった」
アキオは翼の両手を拘束すると、ジーンズに手をかける。
「泣いて嫌がったけどミオは次第に感じてきて、最後は腰をふってた……それからは毎日、俺を欲しがったよ」
アキオはそう言って冷たく笑った。
ああ、そうだ……俺は知っている。この冷たい笑顔を。
ヘラヘラ笑って良い人を演じてた裏でたまに見せるその笑顔が怖くて身体が硬直して動けなかった。
見えない鎖はこの笑顔。
何をされるか分からない怖さがあった。
アキオの唇が首筋に触れる。
そこはハルキがさっき触れた場所。
まるで上書きするみたいにそこに吸い付く。
「……ん、」
キツく吸われて声がでた。
「翼はいやらしい子だもんな。どんな男にも脚を広げる……ハルキを父親だと思ってたくせに抱かれただろ?そんなにあの男がいい?」
アキオはするりとジーンズの中に手をいれる。
「ちが、やめ……」
凄くこわい……
いつもされる行為なのにジワリジワリと恐怖がまとわりついてくる。
逃げたい。
「翼………お父さんとのセックスは気持ちいいだろ?」
アキオは強く翼のイチモツを握る。
ギリギリと締め付けられ痛みがはしる。
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