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第9章:日向彰良 〜覚悟〜
「かんぱーい」
今日は僕がグループ長を務める
グループでの飲み会。
グループのみんなで飲みに行ったのは
僕の離婚後すぐに
自社のビアガーデンに行った夏が最後だったので、
とても久しぶりな気がする。
爽太は母に保育園の迎えへ行って
そのまま次の日まで預かってくれるよう
頼んである。
新宿駅から数分の
隠れ家的スペイン料理屋を予約してくれたのは
4月に入社したばかりの山本さん。
彼女の経歴は異例で、
中学を卒業し、高校には行かず
ずっとレストランの厨房やウェイトレスなどをした後
20歳でバーテンダーになった。
バーテンダーとしての腕は
バーテンダーのコンテストなどに出るほどで、
アルコールにはとても詳しく、
彼女が24歳の時に出た
コンテストを観に行っていた
うちの部長にその場でヘッドハントされたらしい。
彼女もちょうどキャリアチェンジを考えていた時期らしく
その話を受けた。
そんな山本さんは飲食経験が長いので
美味しいレストランにも
料理や飲み物にもとても詳しかった。
「サングリアって基本赤ワインベースなんですけど
ここのは白ワインベースなんです。」
「へぇ。そう言うアレンジもあるんだね。
赤ワインのものと違って
さっぱりしていて飲みやすいね。」
サングリアとは、スペインでよく飲まれている
フレーバードワインで、
赤ワインに、果実やスパイスなどが加えられている。
山本さんのオススメのサングリアは
普通のものよりも口当たりが良くて、
料理にも合い
ぐいぐいと飲めた。
「ここの店ではないんですが、
芝浦にあるスパニッシュバルでは
スパークリングワインのアレンジもあって
そちらも美味しいですよ。」
「様々なフルーツやスパイスは好みでいれられるし、
サングリアのバリエーションは無限だね。」
「そうなんです!」
「うちで出してるサングリアの
売れ行きはいまいちなんだよなぁ。
もう一工夫出来ればいいなって思っていたから
今度見直してみようか?」
「それはいいですね!」
グループの飲み会は
結局仕事の話ばかりになるが、
それはそれで楽しい。
飲み会が終わり、
立ち上がり、外に出ると
足がふらついた。
久しぶりのワインで
酔いが回ってしまったようだ。
クリスマスが近いので、
新宿の町はクリスマスセールの案内や
クリスマスカラーのイルミネーションで
いつもよりいっそう賑わっているように感じる。
僕よりも20cmほど背の低い
部下の赤城君は
フラフラと覚束ない足で歩く僕に
駅まで肩を借してくれると言い、
僕は彼の肩につかまりながら歩いた。
そんななか駅の手前で、
「あれ、日向さん?」
と言う声がしたので
下に置いていた視線を
前に向けると
髭面の堅いよい男性がいた。
ヒデママだ。
「大丈夫?」
バーにいる時と違ってとても男らしい声と喋り方。
格好もダッフルコートにジーパンで
おネエ感はゼロだった。
「グループ長、お知り合いですか?」
赤城君からそう言われ、
「あ、うん。」
と答えた。
するとヒデママは、
「君、大変だね。
俺が運んでタクシーで帰らせますよ。」
と赤城君に申し出た。
「いいんですか?」
さすがに自分よりも大きい男から
寄り掛かられて
大変だった赤城君は
その助け舟に乗り
僕をヒデママに預けた。
「では、グループ長また来週。」
「お疲れ様でした。」
皆は、面倒ごとから逃げ出すように
僕をヒデママに残して
そそくさと駅内へ急いだ。
みんな、とてもいい子達で
仕事も出来るんだけど
仕事外になると、とてもドライだ。
なので離婚直後もそのことについて
詮索しないでいてくれて
助かってたけれど、
こう言う時に
ちょっと寂しかったりもする。
「今の若い子って あー言う子多いわよね。」
「そうですね。」
二人きりになると
すっかりおネエ口調に戻っていた。
切り替えながら生きてるんだな・・・。
「ちょっと、バーに寄って行きなさいよ。」
そう言われ、僕はヒデママに
引っ張られる形で、
パープルラビッツに連れてこさせられた。
ここにくるのは約1ヶ月半ぶりだ。
バーには誰もいなかった。
「今日は月1回の金曜休みなの。
金曜日休むのは
バーとしては損なんだけど、
たまには金曜日遊びたい時ってあるじゃない?」
「まぁ、世間は花金ですもんね。」
「そうそう。
いつも遊びに行く前に
ここで一杯一人でひっかけるのよ。
どうせ遊ぶって言ってもこの辺だしね。」
「そうなんですね。」
「あんた普段からこんな
ベロベロになるまで飲んでるわけ?」
「いや。
こうやって飲み会に参加したのは
数ヶ月ぶりで・・・。
飲んだサングリアが美味しくて
少し飲みすぎてしまっただけで
ベロベロってほどでは・・・」
「あんな可愛い子に無茶させてんじゃないわよ。」
「可愛い?
ああ・・・」
赤城君か。
僕は同性愛者のことはよく分からないけれど、
先生と前に出会した時に連れていた男性も
小さい子ばかりだったし、
そう言う子がモテるのかな・・・。
「そういえば
あんたと類ってどんな関係なのよ。」
「え?」
「ただのお隣さんってわけじゃないんでしょう?
あんたと来た日から
類も、さっぱり店にもこなくって聞き出せなかったのよ。」
「え・・・あー・・・
友達・・・なんでしょうか。
子供の含め よくしていただいています。」
先生から告白されて1ヶ月、
あれから週に数回先生の手料理をご馳走になったり
週末は3人で出かけたりしていたが、
僕は未だに返事を返せないままだ。
「ふ〜ん、友達ねぇ・・・。
あの時、私があんたに聞いたこと覚えてる?
類に惚れてるの?って」
「あー・・・はい。」
先生がトイレに行っている間に
ヒデママからそう聞かれていた。
「あの時さ、違いますって全否定してたのに
顔真っ赤にさせちゃって。
今はどうなの?ちゃんと自覚した?」
「・・・僕は正直自分の気持ちが
あの時も今もよく分からないんです。
先生から好きと言われても・・・
自分は同じように好きなのか。
だから告白の返事も
もう1ヶ月もずっと出来ずにずるずると・・・」
「え?ちょっと待って!
好きって、あの類が?
あんたに言ったの?
あんたが類に惚れてるんじゃなくて、
類があんたに惚れてるってわけ?
そりゃおったまげたわ。
ノンケのくせによくあんなの落としたわね。」
「・・・落としたというか・・・
自分の何に先生が惹かれているのか分からなくて・・・。
僕はつまらない人間ですし、
その上バツイチ子持ちで、
・・・見た目だって、
こんなで、小柄でもありませんし。」
「小柄?
あー・・・そうね。
あんたって別に
類のタイプでもなんでもないものね。」
「・・・。」
「でも、タイプを超えて、
ノンケで子持ちのあんたに
告白したってことは
あんただって
類の覚悟、わかってるでしょう?」
「覚悟ですか?」
「子供も可愛がってるようだし
最終的には
あんたとあんたの子供と
家族になりたいってことなんじゃないの?
類って口には決して出さないけど
どこかでゲイだからって
家族とか、恋人とか、
興味ないふりをして、
諦めてるところがあった。
だけどあんたといたら
その両方を得られるって夢見ちゃったんじゃないの?
だから、いつまでも答えを先延ばしにして
類の期待だけをあげるのは
可哀想だからやめてあげてちょうだい。」
そうだよな。
先生は優しいから僕の答えを急かさないけれど、
今の曖昧な関係に甘んじてばかりいたら・・・ダメだよな。
そもそも先生はこの曖昧な関係を望まないから
僕に告白をしてきたわけで・・・
僕がそう気づいたのと同時に、
胸ポケットに振動を感じた。
「すみません、ちょっと電話が。」
そう断りを入れ、電話に出ると
「彰良?」
と母の震える声がした。
どうしたんだろう、と思う暇もなく
後ろで爽太の咳き込む音が聞こえ、
母から爽太の具合が悪いと告げられた。
ここ最近は
爽太の調子も良かったんだけどな・・・。
僕の酔いは回復したわけではなかったが、
それどころではないので、
電話を切り、ヒデママに事情を説明し、
急いでタクシーに乗って実家へ向かった。
家に着き父親がドアを開けてくれた瞬間から
爽太の咳が耳に入り、
リビングルームにいた爽太は
苦しそうな表情で背中を母にさすってもらっていた。
母曰く、
保育園で今日はたくさん走ったらしく
迎えに行った時から
体調はよくなかったらしい。
けれど、少し咳き込むくらいだったので、
大丈夫かな、と思い過ごしていたら、
寝かしつけて1時間後に、発作が出た、と。
今まで実家に爽太が泊まった際、
発作は出たことはなかったため、
両親共々も少しパニックになっていた。
「病院へ連れて行ったほうがいいかしら?
救急車?」
「そうだね・・・。
救急車やタクシーを待っている時間も惜しいし
母さん運転出来る?」
藍羽総合病院はちょうどうちと、実家の間にある。
僕たちは母が運転する車で救急へ連れて行くことにした。
15分足らずで病院に着くと幸運なことに
救急センターはすいていて
子供の喘息の発作とだと言うと、即案内してもらえた。
爽太を診てくれた
女性かと見間違えるほど美形の男の先生が
爽太の胸のレントゲンを撮った後に、
「肺炎などの心配はないですが、
だいぶ苦しそうなので、このまま入院させましょう。」
と言い、爽太はそのまま小児科病棟での入院となった。
病院のパジャマに着替えさせらた爽太は
移動式ベッドに乗せられたまま小児病棟へと運ばれ、
僕と母はその後ろに付いて行った。
小児病棟では個室に案内され、
そこで点滴の処置や血液検査をしてくれていた看護師さんから
「初日は付き添い入院が可能となっておりますので、
ご家族の方お一人のみついていただくことができますが、
どういたしますか?」
と、訊かれた。
「あ、はい。では僕が。」
もう0時近くだったので、
それまで一緒にいてもらった
母には帰ってもらうことにした。
母を病院の夜間出入り口まで送り
後で家から持ってきて欲しいものを伝えると
別れ際に
「あなた冴子さんと別れてもう半年でしょう。
そろそろ爽太のためにも
新しい奥さんもらうことも視野に入れたら?」
と言ってきた。
「爽太の喘息だって
あなただけじゃ
ちゃんと見てやれてないんじゃないの?」
「・・・そんなこと」
「そんなことあるでしょう。
家事だってちゃんと出来てないようじゃない?
爽太が言ってたけど
お隣さんに夕飯作ってもらってるとか。
全然一人で育てられてないじゃないの。
お母さんの知り合いの娘さんで
あなたと同い年の保育士さんがいるのよ。
バツがあって子持ちでもいいって言ってくださっていて、
今度会ってみない?」
「いや・・・」
「何意地張ってんのよ。
こんないい条件の女性なかなかいないわよ。」
「その話はまた今度でいいよ。
こんな時にしなくても・・・。」
「こんな時だからでしょ!
ちゃんと、爽太のことを含め
将来のことを考えなさい。」
「・・・分かった。」
母は昔から我の強い人で、
一人っ子の僕は
ずっと彼女の言いなりだった。
成人し、独り立ちしたと言っても、
今でも母には強く言えない。
病室に戻ると、
爽太のベッドの隣には
簡易ベッドが用意されていた。
付き添い可能な入院初日は基本みな個室で、
次の日から大部屋に移動するらしい。
爽太の具合はというと
ステロイドの投与や吸引のおかげで
多少落ち着いて眠っている様だが、
眠りながら未だ咳を繰り返している。
横向きで寝ている背中を軽くさすってやると、
「ママ・・・」
と
小さな声で寝言を言った。
・・・ママ、か。
先ほど母から言われたことも
まだ脳裏に鮮明に残っている時の
その言葉は突き刺さるものがある。
今まで爽太が入院した時は
いつも元妻が付き添っていたことを思い出した。
僕の元妻、爽太の母の冴子さんは
僕よりも5歳年上の人だった。
僕は結婚するまで
ろくに恋愛もしてこなかったタイプで、
学生の頃はただひたすら勉強に励み、
社会人になってからは仕事人間になっていた。
そんな僕を心配した上司から
29歳の時、
上司の奥さんの友達だと言う彼女を紹介された。
僕と同じくおとなしそうな人、
それが第一印象。
交際期間は3ヶ月程度だっただろうか。
付き合う中で意気投合とまではいかなかったが、
互いに可もなく不可もなくという感じで
「彼女もいい年だから、早く結婚してあげなよ」
と上司に押される形で
彼女と結婚をした。
彼女はその時既に34歳で
高齢出産になる前に子供が欲しいということで
入籍してすぐ懐妊し、爽太が産まれた。
爽太が産まれてから僕は
一家の大黒柱として
仕事を頑張ること
イコール
家族を大切にしていることだと思い込み、
更に仕事に打ち込んでいた気がする。
結婚前もその後も僕は
今の部署ではなく、
海外企画課にいて
市場調査として国外への長期出張なども頻繁にあった。
元妻も出産して1年で職場復帰し
正社員からパート社員に切り替え働いていたが、
僕が家をあけることが多かったので、
完全にワンオペ育児になっていた。
その上、喘息持ちの爽太が
夜中に発作を起こし病院へ駆け込んだり、
入退院を繰り返す時もあった。
それでも不満を何一つ言わない彼女を
今思えば、僕は過信し甘えていた。
しかし彼女も人間なので、
家事も育児も何もしない僕にも
こんな生活にも嫌気がさしていき
職場で出会った
僕ではない人に癒しを求めていった。
鈍感な僕が彼女の不満を含めた全てのことを知った時には
彼女が不倫相手と一緒になりたい為に
僕との離婚を決意した後で
もう何もかもが手遅れだった。
気づくと朝になっていた。
「日向さん?」
聴き慣れたはっきりとした声が耳の中に
すっと入ってきて
目覚めた。
清々しい表情で
白衣姿の先生が簡易ベッドで横になる僕を
上から、見下ろしていた。
「あ・・・先生。」
「おはようございます。」
「お、おはようございます。」
僕は、体を起こし、
寝癖がついているであろう、髪の毛を
手櫛で整えた。
「カルテを拝見いたしましたが
爽太君、発作でてしまったんですね。」
「・・・あ、はい。
昨夜は母のところに泊まる予定で
そこで出てしまって・・・」
「そうでしたか。」
「あれ、土曜日は、お休みなんじゃ?」
「今日は土曜日にくるはずだった先生が
インフルを患者さんからもらっちゃったみたいで
急遽来れなくなってしまって・・・
僕が代わりに。」
「そうだったんですね。」
「先生に会えてラッキーだね!パパ」
既に起きていたらしい爽太は、
ニコニコ笑顔でそう言った。
爽太の調子は昨晩に比べると
だいぶ良くなっているようだ。
「爽太君、今どこか苦しいところはないかい?」
優しく問いかける先生に爽太は
「昨日はとても苦しかったけど、
今は普通。」
と答えた。
「じゃ、ちょっと胸と背中の音を聞くね。」
「もしもし?」
「そうそう。」
「うん!」
先生は爽太の呼吸を
聴診器で確認した後に、
隣についていた看護師にステロイド剤や
抗生剤の手配を指示した。
「だいぶ症状も落ち着いているので、
多分明日には退院出来そうですね。
じゃ、爽太君、またね。
時間があったら、
また顔を出すね。」
「うん!」
そう言い、先生は部屋から出て行った。
爽太は先生の後ろを憧れの眼差しで見ながら
「やっぱりお医者さんの服を着ている
先生ってかっこいいね!」
と興奮気味に言ったので
「うん、そうだね。」
と僕は同調した。
その後爽太は朝食を摂り、
爽太は大部屋に移された。
そこには爽太以外に3人の子供たちがいた。
周りは面会に来ている母親たちが
それぞれの子供に世話をやいている。
あまり面白い話題を振れない上
母親が気付くような小さなことに
ちゃんと気づけないでいる僕の隣で
爽太は他の家族の様子を
ぼーっと眺めていた。
やはり、男親だけでは
ダメなのかな・・・
とこう言う時に不安になってしまう。
先生とは
昼食の時に数分話したくらいで
夕方の回診の時まで
会えず仕舞いだった。
「ユウタロウくん、
この調子ですと、来週中には退院出来そうですね。」
夕方の回診は、朝とは違い、
大部屋だと
診察中の先生の仕事の様子が
さらに窺《うかが》えて
ただただかっこいいと思った。
だけどそう思っているのは僕だけでは無いようだ。
「先生ありがとうございます。
でもこうやって毎日のように先生に会えなくなるのは
寂しいわ〜。」
他の患者の母親たちもみんな
『イケメン医師』にデレデレの様子。
そして、そんな母親たちに対し、
慣れたように遇らう先生をみて、
先生にとってこれは日常茶飯事なんだな、と思った。
最後に爽太の診察をし、
看護師が少し離れたところで、
次の病室へ行く準備をしていると、
先生は僕たちの元から去る前に、
僕に顔を近づけ、
他の人には聞こえないような小さな声で
「日向さん、今日は面会時間ギリギリまでいる予定ですか?」
と囁いた。
僕も同じボリュームで
「はい。」
と答えた。
「なら一緒に帰りましょう。
夜間出入り口の出たところで待ってます。」
僕の返事も待たずに先生はそう言い、
その後何食わぬ顔で
他の患者や親に挨拶をしながら、
病室を出た。
診察の後、大部屋では
僕たち以外の家族が
大きな声で談笑をしていた。
僕はもちろんその輪には入ってはいなかったが、
なぜか途中で話をふられた。
「爽太君のお母様は
面会に来られないのですか?
お仕事とか?」
「あ、いえ。離婚してシングルなので。」
爽太は
聞いていないフリをしているのか
何も言わずもくもくと魚の絵を描いていた。
「あら、それは大変。」
「お父さんが引き取るのは珍しいですね。」
「へぇー・・・可哀想に。」
そのようなことを直接言われ、
僕は驚いたのと同時に
自分は
もしかしたら、
世間に対し
今まで盲目だったのはないだろうか、ということに
気づかされた。
今の僕はとても狭い世界に生きていて、
僕の周りは
たまたま他人のプライベートに
無関心な人が多いだけで、
みながみなそうなわけではない。
これから爽太も色々なことを理解し始め
周りとは違う
シングルファザー家庭と言うことに
コンプレックスを感じていくことになるかもしれない。
その上、
もしその親に同性のパートナーがいるとなったら・・・。
さらなる負い目になるのでは?
僕のこれからの人生は、
爽太のこれからの人生であり、
僕の自分勝手な都合で
これ以上爽太を振り回せない・・・。
今まで僕は何を迷っていたのだろう、と思うくらい
僕が出さなければならない答えは
明確な気がした。
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