27 / 191
第27話 嫉妬
(やっば…めっちゃ怒ってる)
あまりリビングにいないサキが、まさかあのタイミングで来るとは思わなかった。そもそもユウヒにキスされるとも思っていなかった。ただ睨み続けるサキに怯んで下を向いた。
「ユウヒがいいの?」
「違うよ、あれは…事故で」
「事故?違うな。ユウヒはつまみ食い、と言ってた。そういう雰囲気になったんだろ」
サキが近づいてきて、殴られるかもと、目を閉じた。
ふわっ
そっと抱きしめられて、サキの肩口に顔が埋まる。
「ユウヒ相手に嫉妬する俺は…ガキだな…」
「サキ…」
「心変わりされるのは…恐いんだ…」
怯える、リョウタよりも大きな身体。心はまだ少し幼い。
「自信も…ない。リョウタが見てくれてるか、心配ばかりして、疲れた」
離れていきそうな雰囲気にリョウタは慌てた。リョウタはサキが可愛くて仕方ない。それはユウヒとは違う可愛さだった。
「だから…もし、ユウヒがいいなら…んっ」
背伸びをして、サキの唇に口付けた。あまり経験のないリョウタは、さきほどのユウヒみたいに優しいキスはできないが、伝わるようにキスを続けた。
「っぅわ?」
ベッドに寝かされて驚いて声を上げる。上に乗ってきたサキの目は欲情が見えた。
「リョウタ…」
リョウタの手を取って、サキの心臓に当てると、驚くほど早い鼓動が、リョウタにも移った。
「好きだ…」
耳元で囁かれ、服の中に大きな手が入ってきて体が跳ねる。
(心臓がバクバクして苦しい)
「リョウタ…恐いか?」
「ううん…ビックリしただけ…」
「続けていい?」
「うん」
恥ずかしくて顔を隠した。ドキドキして、どうしたらいいか分からない。
カリッ
「アァ?!…っ、な、なにして」
コリコリッ
「んぅ!っあ!っんぅ!」
乳首を歯で刺激されると、ビリビリと刺激がきて、声が飛び出す。
(何これ?!なんか…へん)
強く吸われたり、爪をたてられたり、時々歯で刺激されると、腰が痺れて涙が溜まる。口を閉じることもできなくて、必死に呼吸をする。
「リョウタ」
「っ!は、はい?」
「大丈夫?」
「へっ?だ、大丈夫、ダイジョウブ」
覗き込まれる顔にもドキドキして、心臓が破れそうだ。うっすら記憶に残るあの快楽とは全く違うものに、混乱していた。
(恥ずかしい、恥ずかしい)
サキの手が、舌が触れるところがたまらなくて、少し恐い。
「リョウタ、ここ…」
「ひぁう!」
痛いほど勃ちあがった熱に触れられ、あの日の記憶が蘇る。何度も謝りながら解放してくれたサキ。気持ちよくて頭がおかしくなりそうだった。
(あの時、サキが助けてくれた。)
思い出すとキュンと心臓が締め付けられた。
「サキ…っ、ありがとう」
「…へ?」
「俺を…助けてくれただろ…?」
「覚えて…?」
「お前はヒーローだよ…、思い出したら…俺、身体が熱くなってきた…」
「煽るなっ…」
「ど…しよ?ね、サキ…」
サキの手に両手を重ねてリョウタの熱を扱くと、たまらず腰が浮いた。
「アァッ…ッ」
「はぁ、はっ、リョウタ、リョウタッ」
視界がぼやけて、必死に絶頂を目指す。サキの手を借りた自慰だが、恥ずかしさも忘れて一心不乱に高める。
「はぁ…っ、ん…?」
「リョウタ、俺のも…」
サキの朝よりも大きな熱が、リョウタのと触れると、興奮が一気に押し寄せた。
「ぁっ、ぁっ、あ、っ、あっぅあ!ぁ、」
「リョウタ、リョウタっ、っ、ん」
「やっ、や、っ、腰、振らないで、っ、」
「止まらないっ、リョウタっ、」
カリの部分を強く刺激され、ガクガクと足が震える。
「出るっ!サキっ、も、っ、出るっ、」
「は、はぁ、おれ、も、」
「〜〜〜ッ!!っ、ァアア!!」
「ーーっ!」
(気持ち…良かったぁ…)
まだタラタラと流しながら…開放感にぼんやりする。サキがキスしてきて、脳がふわふわする。
「リョウタ…可愛すぎる…」
「どっちが…」
「今日は、ココ…いいの?」
触られた穴にゾクンと腰が重くなった。
(ココは…おかしくなる場所…)
「今日は…恐い…かも」
「ん。分かった。」
「サキ、気持ち良すぎて体がビリビリする」
「俺も」
サキの声が甘い気がしてくすぐったい。後処理も全てサキがしてくれて、まだぼんやりするリョウタに腕枕をしてくれた。
「なんか…恥ずかしいよ」
「俺は…嬉しい。リョウタの気持ちが伝わったから安心した…」
優しい顔を見て、また顔が熱くなる。いつもは可愛いサキが、大人っぽく見えてドキドキする。
「リョウタ、俺のこと好きなんだな」
「信じてなかったの?!」
「弟みたいな好きなのかも…って思ったけど、良かった。俺に欲情してくれた」
「あ…当たり前だろ。好きな人がそばにいるんだから」
「いつも隣でぐーすか寝てるくせに」
「サキこそ!」
「収まってから寝てるから、毎日寝不足だよ。人の気も知らないで。」
そんな恨み節も甘さが含まれている。ずっと我慢していたサキに気付かずに一緒に寝ていた。リョウタはチュッとサキの唇に触れて、笑った。
「俺も毎朝サキの寝顔見てるよ」
「っ!見るなよ…」
「可愛いんだもん」
「可愛くない。ほら、もう寝よ」
布団が被されて、目を閉じると安らかな寝息が聞こえた。
(ふふっ。満たされたかな?すぐ寝ちゃった。)
やっぱりあどけない寝顔。可愛くて胸が少し苦しい。
(おやすみ、サキ)
リョウタは少し微笑んでサキの胸に顔を埋めた。
ともだちにシェアしよう!