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第27話 嫉妬

(やっば…めっちゃ怒ってる)  あまりリビングにいないサキが、まさかあのタイミングで来るとは思わなかった。そもそもユウヒにキスされるとも思っていなかった。ただ睨み続けるサキに怯んで下を向いた。  「ユウヒがいいの?」  「違うよ、あれは…事故で」  「事故?違うな。ユウヒはつまみ食い、と言ってた。そういう雰囲気になったんだろ」  サキが近づいてきて、殴られるかもと、目を閉じた。  ふわっ  そっと抱きしめられて、サキの肩口に顔が埋まる。 「ユウヒ相手に嫉妬する俺は…ガキだな…」  「サキ…」  「心変わりされるのは…恐いんだ…」  怯える、リョウタよりも大きな身体。心はまだ少し幼い。  「自信も…ない。リョウタが見てくれてるか、心配ばかりして、疲れた」  離れていきそうな雰囲気にリョウタは慌てた。リョウタはサキが可愛くて仕方ない。それはユウヒとは違う可愛さだった。  「だから…もし、ユウヒがいいなら…んっ」  背伸びをして、サキの唇に口付けた。あまり経験のないリョウタは、さきほどのユウヒみたいに優しいキスはできないが、伝わるようにキスを続けた。  「っぅわ?」  ベッドに寝かされて驚いて声を上げる。上に乗ってきたサキの目は欲情が見えた。  「リョウタ…」  リョウタの手を取って、サキの心臓に当てると、驚くほど早い鼓動が、リョウタにも移った。 「好きだ…」  耳元で囁かれ、服の中に大きな手が入ってきて体が跳ねる。  (心臓がバクバクして苦しい) 「リョウタ…恐いか?」  「ううん…ビックリしただけ…」  「続けていい?」  「うん」  恥ずかしくて顔を隠した。ドキドキして、どうしたらいいか分からない。  カリッ  「アァ?!…っ、な、なにして」  コリコリッ  「んぅ!っあ!っんぅ!」  乳首を歯で刺激されると、ビリビリと刺激がきて、声が飛び出す。 (何これ?!なんか…へん)  強く吸われたり、爪をたてられたり、時々歯で刺激されると、腰が痺れて涙が溜まる。口を閉じることもできなくて、必死に呼吸をする。 「リョウタ」  「っ!は、はい?」  「大丈夫?」  「へっ?だ、大丈夫、ダイジョウブ」  覗き込まれる顔にもドキドキして、心臓が破れそうだ。うっすら記憶に残るあの快楽とは全く違うものに、混乱していた。  (恥ずかしい、恥ずかしい)  サキの手が、舌が触れるところがたまらなくて、少し恐い。  「リョウタ、ここ…」  「ひぁう!」  痛いほど勃ちあがった熱に触れられ、あの日の記憶が蘇る。何度も謝りながら解放してくれたサキ。気持ちよくて頭がおかしくなりそうだった。  (あの時、サキが助けてくれた。)  思い出すとキュンと心臓が締め付けられた。  「サキ…っ、ありがとう」  「…へ?」  「俺を…助けてくれただろ…?」  「覚えて…?」  「お前はヒーローだよ…、思い出したら…俺、身体が熱くなってきた…」  「煽るなっ…」  「ど…しよ?ね、サキ…」  サキの手に両手を重ねてリョウタの熱を扱くと、たまらず腰が浮いた。  「アァッ…ッ」  「はぁ、はっ、リョウタ、リョウタッ」  視界がぼやけて、必死に絶頂を目指す。サキの手を借りた自慰だが、恥ずかしさも忘れて一心不乱に高める。 「はぁ…っ、ん…?」  「リョウタ、俺のも…」  サキの朝よりも大きな熱が、リョウタのと触れると、興奮が一気に押し寄せた。  「ぁっ、ぁっ、あ、っ、あっぅあ!ぁ、」  「リョウタ、リョウタっ、っ、ん」  「やっ、や、っ、腰、振らないで、っ、」  「止まらないっ、リョウタっ、」  カリの部分を強く刺激され、ガクガクと足が震える。  「出るっ!サキっ、も、っ、出るっ、」  「は、はぁ、おれ、も、」  「〜〜〜ッ!!っ、ァアア!!」  「ーーっ!」  (気持ち…良かったぁ…)  まだタラタラと流しながら…開放感にぼんやりする。サキがキスしてきて、脳がふわふわする。 「リョウタ…可愛すぎる…」  「どっちが…」  「今日は、ココ…いいの?」  触られた穴にゾクンと腰が重くなった。  (ココは…おかしくなる場所…)  「今日は…恐い…かも」  「ん。分かった。」  「サキ、気持ち良すぎて体がビリビリする」  「俺も」  サキの声が甘い気がしてくすぐったい。後処理も全てサキがしてくれて、まだぼんやりするリョウタに腕枕をしてくれた。  「なんか…恥ずかしいよ」  「俺は…嬉しい。リョウタの気持ちが伝わったから安心した…」 優しい顔を見て、また顔が熱くなる。いつもは可愛いサキが、大人っぽく見えてドキドキする。 「リョウタ、俺のこと好きなんだな」  「信じてなかったの?!」  「弟みたいな好きなのかも…って思ったけど、良かった。俺に欲情してくれた」  「あ…当たり前だろ。好きな人がそばにいるんだから」  「いつも隣でぐーすか寝てるくせに」  「サキこそ!」  「収まってから寝てるから、毎日寝不足だよ。人の気も知らないで。」  そんな恨み節も甘さが含まれている。ずっと我慢していたサキに気付かずに一緒に寝ていた。リョウタはチュッとサキの唇に触れて、笑った。  「俺も毎朝サキの寝顔見てるよ」  「っ!見るなよ…」  「可愛いんだもん」  「可愛くない。ほら、もう寝よ」  布団が被されて、目を閉じると安らかな寝息が聞こえた。  (ふふっ。満たされたかな?すぐ寝ちゃった。)  やっぱりあどけない寝顔。可愛くて胸が少し苦しい。  (おやすみ、サキ) リョウタは少し微笑んでサキの胸に顔を埋めた。

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