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第55話 『買い物』

「んっ…は、っはぁ、んっぅ」  「はっ…ぁ、ハル…っ、」  『買い物』、それはお誘いの言葉。  2人で買い出しに行く前に、行きつけのラブホテルで身体を重ねる。  アジトでは、昼ごろまで寝てるサキやミナト、夕方に訓練から帰ってくるリョウタ達と、誰もいない時はない。そして2人は、この2人の世界を誰にも聞かれたくないし、見られたくもないのだ。  2人の世界に没頭する、この瞬間が、ハルとカズキが1番自分を出す時。  久しぶりに見るハルの身体に、呼吸が荒くなるのを自覚するカズキは、ハルの和柄が刻まれた背中や腕を舌でなぞる。ビクビクと反応する引き締まった身体。シーツを握る手に、手を重ねて、プラチナのブレスレットがカチンと音を立てる。  ハルの弱いところは、腰と、中のある部分。腰に舌が到達すると、フルフルと震えて、普段は聞けない甘い声を必死に抑えて、耳まで真っ赤にする。  カプッ  「んぅ!!…は、カズキっ…それ…っ、や」  ガブっ  「ーーッ!っぁ、っ、」  ゆっくりと腰を振り始めたハルを仰向けにして、涙を流す大きな熱を握り、ゆっくり動かすと、顔を隠して喘ぎ始めた。顔が見たくなって、手を退かすと涙目のハルが舌を伸ばしてくる。それに絡めながら、だんだん手の動きを早くしていくと、眉を寄せて目を閉じた。  「んっ、ふっ、ん、ん、」 (そろそろ…かな…)  「あぁ!っ!カズキっ!ーーッ!!」  顎を反らせて勢いよく吐き出した。カズキはハルの顔を凝視したまま、またゆっくりと動かすと、ハルが目を見開いて、やめろと暴れる。  「我慢してたでしょ?ほら、もう一回気持ち良くなって」  「はぁあ!待って!カズ…き、イったばっ…っかぁ!い、っぁ!あ!カズキ!!」  頭を振って暴れるハルの上に乗って、扱き続ける。ハルは泣きそうになりながら、嫌がる。  「ハル、見せて」  「やぁっ!っああ!お願い、カズキ!っあ」  「ハル。」  「ーーッぁ!ァアァア!や…だ、ッぁ!」 「ハール」 「ん!っあ!ーーッ、ダメだっ…ッ!…ッアーーーーッ!!」  プシャァアァア…… 「よく出来たね。ハル。」  「ーーッ、ーーッ」  少しトんでいるハルに笑って、自分の熱にゴムを被せる。指にもゴムを着けて、ゆっくりとハルの中に入れる。  「んーッ!」  (久しぶりだから痛いかな…ゆっくりやらなきゃ)  荒い呼吸を必死に抑えながら、ハルが痛くないようにと念入りに慣らす。  (初めの頃…思い出すな)  カズキは苦笑いして、イったばかりで苦しそうに顔を真っ赤にして歯を食いしばるハルを見た。  ーーーー 「痛…ーーッ、い、…」  「ハル、大丈夫?」  「お前が…大丈夫じゃないだろ…またせ、て…ごめん」  痛そうな顔して、謝ってくるハルに心が痛むも、止められないのは事実。爆発しそうな熱と、衝動の抑え方が分からない。歯型だらけの首筋、キスマークだらけの身体。何度もイかせて、イって、白濁まみれのハル。カズキがハルの顔にかけたものがもうシーツに擦れて取れている。早く終わらせたいだろうハルの為にと、痛そうなのを無視して突き進む。  「ぐぉ…っぅ、っう、」  気持ち悪くてえずくのさえゾクゾクして、興奮して垂れた涎がハルの背中に落ちた。  なんとか3本入る頃には、ハルはクタクタで、もう好きにしろと完全に疲れ切っていた。萎えたそれにも興奮して、やわやわと触りながら、奥に指をすすめ、気を抜いているハルを驚かせてやろうと思った。  (ハルの前立腺…。初めてはどうかな?)  グリグリッ  「ーーーーッ!!?」  急にガクンと飛び上がって、ドサッと落ちた。ハルの顔を見ると驚いたように目を見開いて、初めての快感に混乱しているみたいだった。  (ハル…君はこんなに男らしくてかっこいいのに…僕に抱かれてるんだよ)  グリグリグリグリ  「ァアァア!?ぁああああ!!」  初めて聞く甘い声の叫び。カズキは舌舐めずりして、勢いよく指を抜き、待ちに待ったハルへ衝動を押し込んだ。  「ァアァアーーッ!!」 頭がおかしくなったのか、何も考えられずにハルを侵し続け、気がつくとハルは気を失っていた。  休憩時間を延長し、無理矢理ハルを起こすも、立てなくなり、車まで肩を貸した。  ーーーー  「カズキっ!集中…しろ…、考えごと…する、余裕、あんのか」  肩越しに見える顔は、痛みから気持ち良さに変わっていた。火照った顔にドキドキして真っ赤な唇を舐めて舌を絡める。  (ハルのこと考えてたのに…足りないかな?) 「んっ…ん、んぅ」  気持ち良さそうな声を聞いて、ハルの大好きな場所を攻める。 グッ グッ グッ  「ッァアァア!!」  キスを外されて、ハルは目を閉じて叫ぶ。本当に弱いなと、クスクス笑いながらそこをトントンと押すと、面白いほど身体が跳ねる。ガクガクと震える足に、カズキはニヤリと笑った。  「ハル。中だけでイったら僕の入れるよ」  「は…?…嘘だろ?…時間…」  ハルはふと正気に戻り、時計を確認しようと伸ばした手を掴む。  「時間なんかいいでしょ。次はいつか分からないのに。」  「そうだけど…買い出しもしないとだし…ァア!…んぅ!あっ!」  いろいろ気にし始めたハルにムカついて、意地悪なほど強く攻める。すぐに顔を真っ赤にして喘ぎはじめたことに安心して、中だけでイけるように刺激を続けると、ハルがまた暴れ出した。  「カズキッ…ッか、ずき!!」  「イけそう?」  「いや…だ、かずきと、イきたい…からっ」  「後でね」  「ーーッぁ、ーーッ!ぁ!」  「ハルそのまま」  ぎゅっとシーツを握って声にならない声で叫ぶ。  「ハル」  「ッーーッ!!ーーーーッ!!」  前を出さずに達したハルが可愛くて、カズキも衝動を抑えきれず、仰向けにして両足を抱えて、ゴムが苦しい熱を一気に入れ込んだ。  「ァアーーーーッ!ーーッ!!」  「ハルッ!ハルッ!」  「ッ!ーーッ!!」  ハルの目線が合わないのが心配だが、頬を撫でると、目が合い、とろんと見つめられた。  (こんな顔、僕しかしらない!!綺麗なハル、誰にも渡さない!もう、絶対に手放さない!)  「アァアア!つ、強いッ、カズキッ、」  「ハルッ!ハルッ!好きなんだ!好きッ」  「ずる…い、こん、なの…ッ、許して、しまうだろッ、ッ」  「ハル!ハル!」  「俺も、カズキが好きだッ、もう、離れねぇ、ッーーッ、から、だから…ッ」  「イかせてッ」  ハルの声に、頭が真っ白になる。ハルの気持ち良さそうな絶叫を聞いて、ゴムにドクドクと放つ。ハルの乳首に噛み付いて、刺青にも歯を立てた。 (僕だって、ハルに刻みたい)  歯でカプカプと噛んでいると、ハルが頭を撫でできた。  「カズキ、最高に気持ちよかった」  「…ハル〜〜!大好き!大好きだよー!」  「ははっ!さっきとは別人だな、本当。我慢してくれてありがとうな。」  2人で気が済むまでキスして、お互いのを舐め合って、シャワーでも身体を重ねて、時間ギリギリまでくっついていた。  「今日の夕飯どうすっかなぁー。」  「コロッケが食べたいなぁ」  「はは!久しぶりに作るか。カズキの好物も」  仲良く買い物をして、お腹を空かせたリョウタに急かされながらコロッケを作った。  食卓に全員揃うと、ハルはニヤつくレンと目があって目を逸らした。クスクス笑うレンにバレてることを察して顔が赤くなる。  「ハルさん?顔が赤いですよ?大丈夫ですか?」  「こらリョウタ、食事に集中しな」  「…?レンさん、いつもそんなこと言わないのに…」  リョウタは不思議そうに首を傾げている。ハルは無視して食べ進め、チラリとカズキを見る。  (美味しそうに頬張りやがって…可愛いやつ)  「…カズキさん?」  「リョウタ、黙りなさい」  「ハル!とっても美味しいよ!」  カズキの満面の笑みに、いよいよ恥ずかしくなって両手で顔を隠した。レンの爆笑と、ハルちゃんどうしたの、と聞くアイリの声に顔から火が出そうだった。  (好きな人に喜んでもらえるとか…嬉しすぎるに…決まってんだろ)  ハルはこの日、グダグダすぎてアサヒにさっさと寝ろ!と怒られたのだった。

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