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第81話 愛しさあまって

(あっついな…大丈夫か?)  組み敷いた身体は高熱なのに、必死にサキを求めてくる。何度も名前を呼ばれ、しがみつくリョウタに嬉しさが溢れる。  (こんな風にあの時も、助けを求めていたのか…)  「ッぅ!?ーーッ!ッぁあああ!!」  「くぅ…ッ!」  気を抜けば持っていかれそうなほど締め付けられ、波打つような内壁に、サキも腰が抜けそうになるほど気持ちいい。サキのお腹にかかる熱に興奮してしまう。 ビクビク震えるリョウタを強く抱きしめて、耳元でリョウタの名前を呼び続ける。 「リョウタ」  「ンッ!」  「リョウタ」  「ッァア!」 名前を呼ぶだけで気持ち良さそうにしがみついてくるのが堪らない。好きだと囁けば首に噛み付いて欲を放つ。 (こんなにイって…大丈夫か?)  少し休ませようと抜いてみると、泣きそうな顔でこちらを見た。  「サキ、っ、まだ、ッ、熱い!ヘンになる」  まだまだ苦しそうなリョウタに困ってしまうが、レンのアドバイスを思い出して、またゆっくりと入れると、気持ち良さそうに喘ぐ。  「ァアァア!!…気持ちぃっ!サキ!サキィ!きもち…ッッあーーーーッ!!」  今までで1番大きな波だったのか、口を開けたまま、目を見開いてガクンガクンと痙攣している。 「リョウタ…ッ」  サキも耐えられずに熱を吐き出すと、リョウタは嬉しそうに笑って、お腹を撫でた。 「さきの…だ、よかった、さきだ…」  ブチン!!  「ご…めん、リョウタ、ッ!」  「え?…ッぁあああ!待って…ッ!ッァアァア!」  (ヤバい!止まらない!!)  ベッドがギシギシと音を立てる。手首をベッドに縫い付けて、衝動のまま腰を振る。はくはくと呼吸をしているリョウタの耳元で、好きだと言い続けて、キスしたそうな唇に激しく舌を絡ませた。本能のままに、目の前の愛しくて堪らないこの人を、抱き潰した。  「好きだ、リョウタ、好き」  意識を飛ばしても、好きだという気持ちを伝えたりなくて、ずっと囁き続ける。全身にキスして、すやすや眠る顔をずっと眺めたあと、後処理をしてサキの服を着せた。  (ははっ!ぶかぶか!)  クスリと笑って、リョウタの髪を撫でると、気持ち良さそうに擦り寄ってくる。仕草が可愛くてたまらず、柔らかいほほを甘噛みしていた。  「ん…っ、たべ、ないでよ、ぉ」  ゆっくり目を開けたリョウタが笑う。 (あぁ…もう。どうしよう。好きすぎて)  「リョウタ、好き」  「あははっ!うん!俺も大好き」  「好きだよ」  「うん!サキ、あの言葉言って?」  「あの言葉?」  リョウタのリクエストが分からなくて首を傾げると、リョウタは天使みたいな笑顔で言った。  「愛してる」  「っ!」  「あはは!サキ!顔真っ赤!」  「うるさい、見るな」  「みーせーてー」  キャッキャと笑うリョウタを強く抱きしめて耳元で言った言葉は、少しぶっきらぼうだったかもしれない。でも、リョウタはコクンと頷いて、耳が真っ赤になっていたから…伝わったんだと思う。  「サキ、そばにいてくれてありがとう」  「俺こそ」  「もう…会えないかと思った…」  「絶対見つけるから。俺の見える範囲にいてよ。」  「うん…」  触れるだけのキスをしていると、急に力の抜けたリョウタが心配になる。  (この人を失うのが、怖い)  今更、手が震えて、鼻がツンと痛んだ。  強く抱きしめて、いつも通りの体温に安心して、一晩中寝顔を見つめた。

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