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第83話 ハジメテ
バクバクバク…
ユウヒは固まったまま、目のやり場を探した。目の前で、大好きな兄ちゃんたちの濃厚すぎるキスを見て、最近付き合った彼氏のエロい姿を見て、どうしたらいいか分からない。
「ユウヒ…ッ、ユウヒぃ」
泣き出してしまった弘樹にワタワタと慌てて、取り敢えず抱きしめると、少し落ち着いたのか体を預けてくる。
(…こ、こんな可愛いヒロ、知らない!)
顔が熱くて、刺激が強すぎてどうしたらいいか分からない。ただ、痛いほど勃ち上がった自分のものも、恥ずかしくて困った。
(カズ兄…)
チラリとみると、ハルの手首を押さえつけて、首筋に舌を這わせていた。
(真似してみるか)
よし、と気合を入れて、大人しく抱きついている弘樹の首筋に舌を這わしてみた。
「んぅ…」
(うーわぁ…。なんか、頭おかしくなりそ)
またチラリとカズキを見て、ぎょっと驚く。
(ちち、乳首吸ってる!)
吸ったり噛んだりしていることに固まって見ていると、ハルの顔が見えた。
「ッ!!?」
(は、ハル兄!!?)
初めて見る快感に耐える顔に、思いっきり顔を逸らした。心臓がうるさくて、目の前のヒロも舌を伸ばしてくる。
「ユウヒぃ…助けてぇ…触ってよぉ」
ブチン!!
(なんか、音がした気がする)
ユウヒは脳内での音に首を傾げる。耳を澄ますと自分の荒い呼吸が聞こえた。
ーーーー
「ユウヒッ…ッァアァアーーッ!」
弘樹の声に、ハルは目を開けてベッドを見る。ハルがほぐしたソコにユウヒの熱が入る。カズキは教える、とか言ってこの部屋に入った癖に、ハルにお仕置きすることしか考えていないようだ。
本能のまま腰を振るユウヒと、薬の効果で気持ち良さそうに叫ぶ弘樹。
(2人の初めてがこんな状況だなんて…)
少しだけ可哀想に思う。愛を確かめ合うというよりは、剥き出しの本能で、衝動を発散する…そんな繋がりのようで複雑だった。
「ァアッーーッ…ッァア!!」
弘樹がユウヒの肩に爪を立てて仰反る。イったのか顔が真っ赤になっていて、呼吸も出来ていないのが心配だ。ユウヒも初めてだから加減がわからないはず。
(2人を落ち着かせたいのに…っ!)
「ハッ。余裕だね。人の心配?」
「当たり前…に、心配だろっ、カズキ、どけよ、弘樹、ヤバいから、ッ、ユウヒ、止めないと」
「大丈夫だよ。ユウヒが中に出さなきゃ。」
「え?」
「精液で薬の効果が増長する。逆に弘樹は出して薬の成分を薄めるしかない。」
「それ…ユウヒに言ってないだろ、っ、だから」
起き上がろうとしたのをまた押し倒される。さすがにイライラしてカズキを睨む。
「ここでじゃなきゃ、どんな仕置きも受けてやる。今は離せ。2人が優先だ」
「…ハルのこんなところ、今は大嫌い」
(嫌い…)
グサリと刺さり、カズキが離れる。ハルは傷ついたまま、大人しく起き上がり、無我夢中のユウヒの背中を撫でる。
「ユウヒ」
ビクッと跳ねた身体。一瞬動きが止まった拍子に、弘樹が必死に呼吸をしている。
ゆっくりと振り返るユウヒ。
「っ!!?」
(アサヒさんに…そっくりだ)
ギラリと欲に染まった獣のような瞳。火照った頬に、顎を伝い、汗が滴る。理性を飛ばしているのか、真顔のままだ。
「わぁ。アサヒさんそっくりだ。」
カズキはユウヒにのんびりとそう言うと、ユウヒに近づいた。
「ゴムは?渡したでしょ?」
「……っ、してない…ッ、は…っ、ふぅ…」
「出した?」
「ん…まだ…でも…もぅ、出そう…っ」
「ダメだよ。弘樹のために外で出して」
「そと…?」
「弘樹のお腹。ほら弘樹も出してるでしょ。ここに。」
カズキは弘樹の白濁に濡れたお腹をツンツンと指差した。分かった、と言って目を閉じたユウヒは、また腰を引いた。
「ふぅっ…は、ッぁあ、ッ」
「ンッ…ひっ、うぁあ!ヘン!ヘン!」
突如、弘樹がガクガクと震え始めた。ユウヒは歯を食いしばって奥へと貫くと、弘樹が頭を振り、涙が溢れる。
「ッ…ッ!!っぁ!おか…しく、なるッ」
「ふぅ…ッ、ッ、ッ」
「ァ…あ…ッ!っぁ!ダメ、だ、ッく、るッ」
強烈な快感から逃げたい必死の弘樹を、本能のユウヒが追い詰める。
「ゆ…ひぃ!!ッぁあーーッダメッ!だめだめ…ッ!ッん…ッ…ッァアァアーーーーッ」
勢いよく放って、弘樹の足がビクンと上がる。ユウヒも今にも出しそうな感じに、ハルが名前を呼ぶと、ハッと気付いてズルリと引き抜いた。
「ぅあ…ッ…ッ…」
弘樹のお腹に吐き出して、ぼんやりとするユウヒ。
ぐらりと脱力したユウヒをハルが支えると、すやすやと眠っていた。
(まだこんな子どもなのに…)
体力を使っただろうユウヒと、意識を飛ばした弘樹の後片付けを、カズキと無言で行った。
(…謝りたいけど…な。)
目も合わさないカズキに、気分が落ち込んでいく。仕方なかったと、カズキに理解してほしいのに、許して貰えない。
(今、外に行こうと言っても無理だろうな。)
ユウヒと弘樹を並んで寝かせて、布団をかけた。ハルは、無言でカズキの目の前でゆっくりと服を脱ぐ。
「何してんの」
冷たい声。でもいい。ハルは誠意を見せたかった。
全裸になって、先ほどまで押し倒されていた床に座り、足を開く。冷たい視線とは逆に、ごくりと喉仏が動いてくれて嬉しかった。
ハルは、自分のものを扱き始めた。まだ固さはないが、カズキから目を逸らさずに刺激していくとすぐにバキバキになった。
(良かった、カズキも興奮してくれてる。)
服越しでも分かる、カズキの反応に恥ずかしくも嬉しくなる。カズキがユウヒ用に持ってきていたローションをたっぷり指にかけて、腰を上げて指を入れる。
「ンッ…」
自分ではなかなかしないから、イイところが分からない。他人にはできる技量も自分には素人同然。ハルは一人でスる時はいつも前だけだった。
「カズキ、ッ、できない」
もどかしくてそう言うと、カズキはやっと笑ってくれた。
「可愛いから許す。」
キスをしながら、ハルの指が抜かれた。
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