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第130話 朗報
(眠い…)
レンは任務資料を畳んで目頭を押さえた。
大きな欠伸をして、目を閉じる。すると、ふわりと体が浮く感じがした。
「さとる」
「起こしたか?寝るならベッドで寝ろ」
「仮眠とる」
「最近1時間睡眠だろ。倒れたら意味がない」
ベッドに寝ると、サトルの匂いが香る。
「サトルのところ?」
「あぁ」
「ん…すんの?」
ギシッとベッドが軋む。
サトルの逞しい首に腕を巻きつけて体重をかける。ゆっくりと降りてくるサトルを目を閉じて受け止める。
「ンッ…ん、ふっ、ん」
(はぁ…気持ちいい)
優しいキスに頭がふわふわする。珍しいサトルからのお誘いが嬉しくて、レンはキスに夢中になった。
服の中に大きな手が触れるだけで、レンの細い体が震える。
「レン」
「あ…っ、ん!」
強めに胸を吸われて、サトルの髪を握る。久しぶりの愛撫はレンをどろどろに溶かす。
「は…ぁん!っ、ん、っ、」
うっすら目を開けると、獣のような目をしたサトルがいて、息を飲む。
(久しぶりだな、こんな興奮してるサトルを見るの)
首筋を噛まれながら、脱がされていく。目が合えばキスをして、痛いほど勃ち上がる熱を大きな手が包めば腰が跳ねて、声が止まらない。
「さとる、っ、さと、る、ぅ」
「レン、っ、はぁ、レンっ、」
レンの好きな香りのローションが体を濡らして、じわじわと広がる中にゾクゾクして、必死に息をする。
(サトルは、全部知ってる。俺よりも、俺のことを。)
グリッ
「ァアーーッ!?」
グチュグチュ
「ひぃ…っ、ん!っぁあああー!!」
強烈な快感が襲って、ひたすら叫ぶ。2本、3本と拡げられ、涙を流しながらサトルの腕に爪を立てる。
「も、ぉ、もう!入れて、ぇ、っ!!」
「まだ、きついから」
「ダメ、も、ダメ、ーーッ!!」
サトルの熱が来る前に、勢いよく絶頂を迎えて頭が真っ白になる。
気が付いたころには、サトルが出したものを舐めていて、一気に顔が熱くなる。
「な、何してんだよ」
「あ、起きたか?入れるぞ」
「へっ?…っぅ、ぁあああーーッ!!」
「く…さすがに、きついな」
(あぁもう…この圧迫感…最高っ…)
気持ちよくて笑うと、髪をかき上げられておでこにキスが降ってきた。サトルも愛おしそうに笑ってくれて、胸が苦しい。
(好きだ、好き。サトル、俺の、俺だけのサトル。)
この苦しさも愛おしさも、気持ちよさも、全部俺のもの。
「サトル、好きに動いていいよ」
「本当か?飛ぶなよ?」
「うん、頑張ってみる」
ニカッと笑うと、ギラついた目で噛み付いてきて、叩きつけるような腰の動きに目を見開いた。入っちゃダメなところを強く、勢いよく押されて、ぐっと入るとたまらず腰を引く。
「アァアアーーッ!アッ!あっぁー!」
「ふ、っ、ぁ、っ、ん、っ、」
「イきそぉ!さとる、イく!イく!」
イくと言った瞬間、サトルの快感優先の動きから、レンの腰を掴み、レンをイかせる動きに変わった。
「ぁっ!だめぇ!それ!気持ちいっ…っ!気持ち…っ、よすぎる、っ、からぁ!!」
「可愛い、レン」
「ーーッ!ーーッ!」
声が出なくなって、絶頂に向かい、揺さぶられる。迫り上がる熱に逆らわずに、サトルの背中に爪を立てた。
「ッぁーーーーーーッ!!」
「く…ぅ、レンッ」
(あ…久しぶりの…っ、中イき…っ!)
ガクンガクンと腰が震えて、トロトロと垂れるだけ。その後に、最奥に熱いものが勢いよくかけられて、その衝撃でレンも欲が飛び出した。
(気持ち、良かったぁ…っ)
何もする気にならないほど、脱力してぼんやりした。サトルにかき出されるのを見つめて、瞬きがゆっくりになる。
「ごめんな、疲れてるって分かってたのに」
「ううん。嬉しかった。気持ち良かったし」
「そうか」
サトルは盛ったのが少し恥ずかしかったのか、それ以上は何も言わなかった。
「最近、お前、ヒロのことばっかりだから」
ポツリと聞こえた言葉に、レンは目を見開いた。
「はっ!?」
「っ!な、なんでもない」
「サトル!もう一回言って!もしかして嫉妬?」
「うるさい。もう寝ろ。」
後ろを向いたサトルは耳まで赤くて、その耳に舌を這わすと、勢いよく押し倒されて、第2ラウンドに突入した。
ーーー
『弘樹、朗報だ!サトルが嫉妬した!』
弘樹はノートをみて目を見開いた。
大きな文字でそれだけ。
(レンさん、嬉しかったんだろうな)
弘樹はふっと力が抜けた。
嫉妬することは、別に悪いことじゃない。そして、人によってはこうして喜んでくれることもあるみたいだ。
(ユウヒは喜んでくれるのかな…)
弘樹はそんなことを考えながら、レンに何を返そうかとペンを取った。
『俺の嫉妬も、喜んでもらえるでしょうか』
弘樹は無意識に書いたその文章に驚いた。でも、心の声だと納得して、そのまま書き続け、少しだけドアの隙間から出した。
朝起きるとなくなっている。
(何て返してくれるかな?)
交換日記は、今の弘樹の楽しみの1つになっていた。
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