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第185話 始末
『ユウヒとサキがターゲットに接触。リョウタとヒロも向かって。現場は学校から近いポイント』
リョウタと弘樹は急いで病院を飛び出した。エイミーの気持ちを背負って2人は走った。インカムではユウヒが優勢のようで、着く頃には終わっていそうだ。
『サトルとアイリも調査を開始。』
ミナトからの状況報告を聞きながら、ボロボロの古屋を見つけた。
「ここだ…」
2人が息を整えていると、後ろから切り付けられ、距離を取った。
「邪魔をするな!」
6人が一気に向かってくる。躱しながらリョウタは古屋を見たがとても静かだ。
「リョウちゃん前見て!」
「うん!」
「気になるけど、今はこいつらを倒そう」
ミナトからの進捗はない。
でも、とても静かだった。
あと2人を残すところで、その2人がリョウタと弘樹の後ろを見て怯え、走って逃げた。
しかし、2人とも撃たれて倒れた。
「サキ…、アサヒさん?」
「どうしてここに?」
返り血を拭いながら、気絶している奴らにも真顔で発砲し続ける。
「裏切り者は、誰1人逃がさねぇ。お前らも、ユウヒも甘いからな。」
木の軋む音がして、古屋を見るとユウヒを背負ったサキが出てきた。
「ユウヒ!」
弘樹が駆け寄ると気絶しているようだ。
「ユウヒ!起きて」
「あーヒロ、そのままでいい。起きたらうるせーから。」
アサヒは疲れたと首を鳴らし、ミナトに完了と告げた。
「高値で取り引きしたんだろ。バカだな俺の傘下でやらかすとは。」
「ターゲットが不特定多数でしたね…」
「足がつくのを恐れたんだろ。命懸けねぇやつがやる仕事は半端よ。」
くだらなさそうに吐き捨てると、アサヒはニヤリと笑った。
「そーいやリョウタとヒロ。よくやったな。お嬢様が気に入ったようだ。多額の報酬が入るぞ」
2人はきょとんと顔を見合わせたが、喜んでくれたことを知り、アサヒに勢いよくエイミーの話をした。うるせぇ!と怒られるまで2人はエイミーを語った。
ーーーー
「シズクに会いたいなぁ…」
個室の窓から学校を眺めるエイミー。
「シズク君はアイリが助ける!」
必死に水質を調査、浄化するアイリ。
2人の女の子はシズクを想い、祈り、動いていた。
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