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第4話
「ぃや、…待って……」
線香に灯を入れようと護衛の男が動いたときだった。
「あの……怖い…のです…」
「どうしたのじゃあ。今日は初めてちゃんと出すタイミングが言えたではないか」
そう、今日は男の肉棒を咥えた初夜から数えて三日目になる。
先程の行為は、飼われてから初めての成功だった。
三日目にして男の巨根を始めてすべて咥え込み、射精の際は、「もう出る…っ」と射精のタイミングを主人に伝えることが出来た。
始めて成功した。
成功して始めて知ったのだ。
頭の考えではなく、心で、体で感じとったのかもしれない。
この愛のない行為。
肉棒役の男が無表情で自分を突く。
声も出さず。息も乱すこともなく。
ただ奥を突いて、主人の飼っている人間の射精を促す行為。
なぜだろう?瞼を閉じ、再び開けると瞳から涙が出ていた。
それを見た老人は、
「おぉ、怖かったのかい?」
老人には少し思い当たる点があったようで、
「今日の大刀役は、皮被りで中出しはせんし、優秀なんじゃが、無表情者での」
そう言うと老人は、未緒の頭をナデナデしてから抱き寄せた。
少し考えてから老人は、護衛の男にこう言った。
「線香は今日、二本で終いじゃあ。あとは外で待っておれ」
それを聞き、護衛の二人の男達は部屋を出た。
線香による時間計側は1本、約30分間程である。
吉原などの遊郭では線香を一人1日3本使用するのが多いと言う。
でも未緒の契約は線香で計れるものではなかった。
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