11 / 39

第11話

「先生、今はここが限界のようです」 「そっか。どれどれ」 注射器のメモリを見てみる。 「狭いね。ここから始めたんでしょ」 と注射器のメモリを指さした。 「はい。この量では使い物にならないので、広げますか?」 「そうだね。これだけ狭ければ、普通は小さめのサイズから広げてあげるけど、今日は時間もないし、本番で苦しい思いするのも可哀そうだから、う~ん、中の下の大きさから始めてみようか♪」 「昨日届いた洋物のゴム製とやらはどうでしょうか?」 「あ、あれね。いいかもね。感触が柔らかくて、初めての子にはいいんじゃあないかな」 四目屋。両国に店舗を構え、性に関する商品を取り扱う店だ。 先程使用した通和散もここから買い付けている。 その四目屋から昨日新商品が届いていた。 近年この国にも洋人が増え、今までにはなかった食文化や性文化、建築様式が入ってきた。 この館もそうだ。 完璧な洋館とはならなかったが、和洋折衷な建物となっている。 洋人の客層にはそこが良いようで、好評を受けている。 未緒が乗っているベッドも洋物の一つだ。 「世界は広いね~。要君。これどうやって作ったんだろうね」 男根の形を模したゴム製をプラプラさせていた。

ともだちにシェアしよう!