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第23話
「はい、は~い、いってらっしゃ~い」
初物に許可なく媚薬混じりを咥えさせていたなんて、バレたら首が飛ぶ。
媚薬OKな指示が出ていた今回の主人に心から感謝をした。
ここはせめてこの感謝の思いは、今宵使用する媚薬に最高の香花蜂蜜に仕上げ、初夜に捧げたいと思った。
着物は白基調の指定がなされていた。
「同じ色の花の香りを使おうか」
天沢は、先程未緒から採取した精液をスポイトでシャーレに分けた。
次はオイルに浸かった白い花に目を向けた。
今常備されている白い花は、アケビ、アケボノソ、ウアズマイチゲ、アナメル。
初夜とは特別なものだ。その後、手放さず愛し続けるかは初夜次第と思っても加減ではない。
それぞれのシャーレにスポイトでオイルを垂らす。
「媚薬は軽めにしてあげよう」
そう独り言を言いながら、蜂蜜を垂らし蜜を4種類作った。
「うん。この花の香りでいいかな♪」
四つの中から未緒に相応しいと思った香りを一つ選んだ。
「じゃあ、後ろ用のローションの香りはコッチにしよう」
この館には暗黙のルールがあった。後ろ用のローションと尿道に詰める蜂蜜入りの蜜は違う香りを使用する事。
後ろ用ローションとは通和散をお湯に溶かした物だ。
それだけではただのトロトロした液体だ。
実際に使用するときは、直前に桶にお湯を張り、そこへ通和散の粉を混ぜ入れかき混ぜる。
そこへ媚薬の粉と香りオイルを混ぜ合わせて使用する。
ここではその媚薬の質と量を調節した粉を紙に包む。
予備で数個用意して渡す。
それと香り付きオイルを小瓶に詰める。
その三種類を用意し、飼い主の護衛に渡すのだ。
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