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第14話

「……噛みませんよ。他のことなら何でもしてあげますから」 「……ほしい。ぁア、ん……本当は、愛が欲しいの」 「わかっています」  椎奈は静かに言いながら、もう一つ大きな玉を玲也の中に埋め込んだ。項を噛んではいけない。そんなことをすれば番となり、店の違反になる。  玲也もわかっていながら、口にせずにはいられなかった。それ程愛しさが溢れ出していたのだ。  むしろ、フェロモンで満ちたこの空間で耐え忍んでいる椎奈のほうがよっぽどきついはずだった。 □□□  テーブルに置かれたのは湯気の立つ出来立てのタンポポオムライス。刻んだ野菜とチキン、ケチャップで彩られたライスの上に乗った玉子の塊を椎奈がナイフで切れ目を入れると、左右にとろりと半熟の玉子が広がった。  その上からケチャップをかけている。それを一人分。 「トップス脱いだんですね。エプロンだけでもしていてください」  そう言って料理中に身につけていたのであろう玲也のキッチンに置いていたエプロンを着させられた。  温かいうちに召し上がってくださいというその言葉と共に渡されたスプーンで、先程のやり取りは水に流された。  彼の職業柄、同じことを何度も言われてきたのだろう。どこまでも優しい接し方で嫌う要素など何一つ見付からないのだ。  だからつい発した言葉を頭の中で思い出して恥ずかしくなる。尻からは黒いパールが覗き、相変わらず重低音の振動を続けていた。 それがあるからまだ平気だった。何もなければ欲しい欲しいと泣きわめくのを椎奈は重々知っていた。 「ん……、美味しい」 「ライスまだ残っているので、お変わり出来ますよ」 「椎奈さん、は?」 「俺は良いですよ」 「だい、じょうぶ。食費、込みのコースだから……食べて」 「そうでしたっけ。いつも本当にありがとうございます」  どこまでも丁寧な姿勢を崩さない椎奈は、はかなむような笑みで返してくる。そして、それに胸が苦しくなるのは、やはり自分がΩだからなのだろうと思った。   眠る時には椎奈と手錠で繋がれるか、ベッドサイドにつけられた首輪をつけさせられている。夜中にふらふらと出歩いてaやβに襲われないためにあえてされていた。  今晩は何も身につけずベッドの柵に片手だけ手錠をされていて、全て埋まったパールバイブに腰を揺らし続けている。  中で振動をし続ける玩具は玲也のペニスを腹につかせる程の刺激を与えるには十分で、もどかしくて何度も自分で性器を扱こうとしては止められた。 「まだ駄目です。埋まった物を全部出したら俺のを入れたいんで、出してください」 「はひ、い……きもひくて、だしぇない」 「仕方ないですね」 「ひぃぃいんッ! ひぁ、ぁ……あひ、しいなさ……」 「ぽっかり開いちゃいましたね」  一気に引き抜かれたパールバイブは体液でぬるついていた。最後の方は成人女性の拳くらいの大きさがあり、そんな凶暴な物が入っていたなど信じられないほどだった。  アナルがひくひくと呼吸と共に動いているのがわかる。抜かれた瞬間イってしまい、腹には白濁が飛び散っていた。  緩くなったアナルは物欲しさに喘いでいた。  埋まっていないと我慢が出来ない。そんな玲也に突き出された椎奈の性器はとても美味しそうに見え、口元に宛がわれたそれを何の疑問も持たずに口をすぼめてしゃぶりついた。 aの味に満たされていく。ただそれだけが幸せだった。喉奥につくほど勃起しているそれを離せば完全に勃ち上がりをみせ、太い棒と化していた。 「入れますよ」 「あひッ! おっきい、しいなさん……きもひい!」 「それは良かった」  みっちりと締め付けるように薄いゴム越しに伝わる椎奈の熱量が埋まっているだけで気持ちが落ち着いてきた。店だからきちんとゴムを着用してくれる。

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