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第14話 甘い夜
「んん……ん!」
ちゅっというリップ音とともに離れると、二人の間にとろりと糸が引いた。
久しぶりのキスだったからか、思ったよりも長くなった。
フィストの顔は真っ赤で息も荒い。俺も少し息が荒くなっているのがわかる。
「フィスト、大丈夫ですか?」
「な、なんで、急に……」
フィストは困った顔で言う。少し涙目になっている、目が合うと恥ずかしそうに目を逸らす。
「さっきも言ったでしょ?最近してないからしたくなったって……フィストもしたくないですか?」
「そ、そんなことは……」
「でもついこの間まで、飽きもせずに、あんなに何度もしてたのに……」
「し、しかし……」
「それに……ここはやる気みたいですけど」
そう言って、俺はフィストの股間に自分の腰を擦り付けた。そこは固く勃ちあがっている。
「だ、駄目だ……ヤン、そんな風にしたら……」
何度か腰を揺らすとまたそこが固くなった。
「なんだか、初めてした時の事を思い出しますね」
俺はそう言いながら、少し体を引きフィストの下着を下げる。中で窮屈そうにしていたものが飛び出した。相変わらず大きい。
俺は身を屈め、飛び出たそれにキスを落としそのまま裏筋に舌を這わす。これをするのはあの森でのこと以来だ。
「う……く、ヤン……」
フィストが体を震わせる。気持ちが良かったのか先走りがトロリと溢れた。俺はそれも舐めとり陰茎全体を口に含む。
「大丈夫、気持ちいだけですから」
「っ……ヤン、そこで喋ると……」
息がかかっただけでも感じてしまうようだ、フィストの体はそれだけでビクビクと反応する。
その反応が可愛くて、俺はさらに責め立てるように吸い付いたり、舌で刺激する。
以前はこんな反応に可愛いなんて思わなかったのに、今はもっと見たいと思うなんて不思議だ。
再会して最初はフィストがしたがるから応じていたが、今はもっとしたいと思う。
「フィスト、気持ちいいですか?」
「う……も、もう……」
フィストは相変わらず顔は真っ赤で、恥ずかしさからか腕で顔を隠している。
「いいですよ、出して……」
「し、しかし……っ」
俺は更にきつく吸い付いたり、手で扱く。気持ちがいいようで無意識なのか腰が揺れている。
限界はすぐに来た、フィストの物がブワリと大きくなると、口の中で弾ける。
「んん……ん」
「はっ……はっ……ヤン、悪い……ん」
全て出すと、フィストは申し訳なさそうに言った。
「いっぱい出ましたね。やっぱり溜まってたんじゃないですか?」
「そ、そんなこと……」
「じゃあ、次は俺の番ですね……」
俺はそう言って自分も下着を脱ぎ、フィストが出したもので後孔を濡らす。
指を入れてゆっくり濡らしていく。
こちらを使うのも数日ぶりだから少し硬い。口に出されたもので何度か指を濡らし、指を増やしていく。
「ヤ、ヤン……」
「あれ?もう大きくなってきましたね」
フィストに跨ったまま後を解していると、フィストのそこがまた固く勃ちあがっていた。
「い、いやこれは……」
「見てるだけでしたくなったんですか?」
「ち、違う……」
「別に、恥ずかしくないでしょう?俺は嬉しいですよ。じゃあ……早速しましょうか」
「……!」
俺はそう言って、腰を上げ。固くなったそこに後孔を添える。フィストの物はさっき一度出したのに最初と同じくらい大きい。
まだ、早いかなと少し心配になりながらもゆっくりと腰を落としていく。
「っん……んん、おっきい……」
よく濡らしたお陰で痛みはあまりなかったが、少しきつい。慎重に腰を進める。
時々腰を揺らして出したり入れたりすると、少しずつだが馴染んできた。内壁にカリの尖った所が擦れてジワリと快楽が広がる。
「っく……うぐ……」
「フィスト、気持ちいいですか?」
「ヤンあんまり動かすと……」
ゆすゆすと腰を揺らして奥まで押し込む。
相変わらずフィストの顔は赤く息も荒く、汗だくだ。しかし、それは俺も同じだ。柄にもなく興奮しているのがわかる。
今日は一晩中でも出来る気がしてきた。
中に入っているものも固くて衰える気配もない。
「俺も……気持ちいいです……ん……あ……」
フィストの物が全て埋め込まれたので、腰を大きく動かしていく。動くたびに硬くゴツゴツしたところが感じる場所に当たる。
自分で動いていいところを狙う。気持よくなると、中が勝手に動いて締め付ける。
フィストも気持ちがいいのか呻いた。
「っく……うあ……」
「フィスト、何で顔を隠しているんですか?」
俺はそう言ってフィストの腕を掴んで顔を晒す。相変わらずフィストの顔は真っ赤だ、しかも目が潤んでいて、今にも泣きそうになっている。
「え?……あ……は、恥ずかしい……から」
フィストはそう言って、目が合うと往生際の悪いことに目を逸らして横を向いた。
「恥ずかしくないですよ。っていうか可愛い」
「っ……また可愛いって……」
「フィストも俺に言うじゃないですか」
俺は、なんだか可笑しくて笑ってしまう。
「なに笑って……」
「だって、処女の女の子を抱いてるみたいだなって思って……」
腕をベッドに押さえつけ押し倒しているこの状況はまさにそんな状況にしか見えない。
「そ、そんなわけ……」
「そんな事よりこっち向いて下さい」
俺はそう言ってフィストの顎に手をかけ、こちらを向かせると身を屈める。
「っん……」
さっき長くキスをしていた所為か、少し赤くなっている。そこに首を傾けて深くキスをする。
その間も腰を動かす。舌を差し込み中を探る。
誘うように舌を絡めるとわずかに反応してきた。
中はぬるぬるで気持いい、フィストの物も相変わらず硬くて腰を動かすごとに快楽が走る。
「ん……フィスト……」
気持よくて頭がぼんやりしてきた。フィストは戸惑ってはいるが抵抗もしないので動きがどんどん遠慮がなくなる。
ベッドがギシギシと軋む。
フィストも気持ちがいいのか目がトロンとしてきた。舌の動きも積極的になっている。
「ヤ、ヤンもう……」
「俺も、もうイキそう……」
動きはさらに激しくなっていく。キスももう唾液でぐちゃぐちゃになって、もう訳が分からない。
「う……うあ……ヤン、ヤン……」
「フィスト……好きです……」
「っく……ああ!」
「んん!」
好きだと言った途端に中の物が大きくなって濡れたような感覚がした。その刺激で俺もフィストの腹を汚す。
中を締め付けながら何度かに分けて吐き出すと、気持ちよさで目の奥がチカチカした。
全て吐き出して、一息つく。
ふとフィストを見ると、ぐったりしている。どうやら眠ってしまったようだ。
「本当に最初にした時と同じ展開になったな……」
思わずクスリと笑う。
俺は最初の時と同じように起こさないように後始末をした。シーツをランドリーに持って行って戻っても、フィストはぐっすり眠っていて起きそうにもなかった。
昨日も眠れずに、俺の部屋のそばにいたのは本当だったようだ。もしかしたら昨日と今日だけではなく他の日もいたのかもしれない。
そうだとすればかなり寝不足になっているだろう。よく見ると目の下に隈がある。
何だか可愛く思えて頭を撫でてみた。
俺もベッドに横になる。
フィストの腕を横にして枕にすると抱きつく。久しぶりのセックスだったからか心地よい倦怠感が襲ってきた。
すぐに眠気もやってきたので俺は目を閉じた。今日はよく眠れそうだ。
「おやすみ」
俺はそう言うと、フィストの頬にキスをして眠りについた。
翌日、「うわ!」と言う声とベッドから落ちたような音で目が覚めた。
「ん?フィスト?」
目をこすりながら起き上がる。フィストは恥ずかしそうな顔をしていた。
「お、おはよう……」
「おはようございます。どうかしましたか?」
不思議に思って聞く。
「い、いや。隣にいたから驚いて……」
フィストはもごもごそう言った。
「いや、昨日セックスしたじゃないですか。忘れたんですか?」
そう言うと、フィストはあっという間真っ赤になり「お、覚えてるよ……」とぼそぼそ言った。
あんな事までしたのに、まだ恥ずかしいのだろうか。
「昨日は楽しかったですね」
俺はそう言って、フィストの頬にキスをする。
「わあ!」
フィストは驚いて、またさらに赤くなった。昨日あんなにぐちゃぐちゃになるまでセックスしたのに頬にキスしただけで真っ赤になったフィストにさらに笑ってしまう。
「そ、そんなに笑うなよ……」
フィストがあんまりにも情けない顔で言うので、流石に可哀想になってきた。
「朝食を作ってきます。まだ、寝ててもいいですよ」
そう言ってベッドから出る。
「い、いや。俺も起きる」
フィストはそう言ってモソモソとベッドから出た。
俺は適当な服に着替えると、早速キッチンに朝食を作りに向かった。
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