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第17話

「ヒイロ ヒナ ハル順に並びなさい」 牢から出ると、今度は僕達の腕に鎖が連なった手錠が嵌められた。 ずしっとした鉄の重さと赤い錆びがびっしり付いたそれは益々僕の気持ちを重たくさせる。 これから何をされるんだろう… 不安から顔を伏せていると前から乾いた音がした。執事の神崎がヒイロの頬を叩いたのだ 執事の頬には細く赤い線が入っていた、どうやら爪で引っ掛かれたらしい。 「反抗的な態度は慎みなさい、殺さないとは言いましたが痛め付けないとは言っていませんよ。」 「うるせぇよ!お前らがっ!ぁ…」 ヒイロのみぞおちに拳が入る、彼は踞りそのまま胃の中を吐き出した。 僕は小さな悲鳴を上げて、ヒナ君は泣き出した。無理もなかった、僕だって泣き出したいくらいだから。 そんな事は無視したまま神崎はそのまま苦しんでいるヒイロの前髪を鷲掴み、顔を上げさせる 「お前らカイビトがどうこう言う権利など無い。ただ、命令に従え。 生きたいならそうしろ、死にたいなら止めはしない、しかしお前等に出来るのか? できないなら大人しくしとけ」 その間もヒイロはただ苦い虫を噛み潰したような顔で睨み付けていた。しかし乱暴に髪を離された後には何も言わずふらりと立ったまま、大人しくしていた。 刺すような空気の中牢屋の鍵を閉めながら神崎はいう。その間もヒナ君は泣いたままだったけどそれを怒鳴られる事は無かった。 「連帯責任と言うことで今晩は飯抜きにします。」 暗い廊下を歩くうちに僕はずっと思っていたことがある 他の子たちはどこにいるんだろうか 牢屋には僕達三人しか居なかった。 隣にも部屋があったから、そこにいるかと思ったけど、そこにも居なかった。それか僕達が最後の組だったのだろうか 廊下や、階段を歩いてきたがどこにも窓は無く、間隔を空けて心もとない明かりがぼうと灯っているだけだった。 益々不安が募っていく、殺されはしないと言ってもそれが本当だなんて信じられない。 もしかしたら、さっきので気が変わりこのまま、なんて考えたら足が止まってしまう。 すると、他二人は歩き続けたままなので、かしゃんと連なった鎖に首が引っ張られ、ざらついた首輪が皮膚に擦れて痛かった。 仕方なく、足を止める事も出来ないまま付いていくこと暫くして神崎の、ここです。という声が聞こえた。 足を止めて、顔を上げれば重たそうな扉がついた部屋があった。 「今からあなた方には仕事を覚えていただきます。」

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