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第4話

その後はっきりしたことは、父は事件に巻き込まれたということと犯人が父の友人だったこと。 父に金を借りていた友人が催促に腹を立ててやったということだ。 その後も不幸は続いて、父さんの父親つまり、おじいちゃんが失踪した。 その報告と共に来たのは借金取り。 多額の借金を抱えていたらしく、連日連夜、ドアを叩く声が鳴りやまなかった。 そんな恐怖に、三歳の桜が耐えられるわけがなく毎日泣いて、母親も毎日鳴りやまない怒号に頭をかかえていてノイローゼ気味になっていた。 そんな状態で、学校の状況も変わっていた。 何故か、すぐに家が借金まみれになったというのと、自分とは遊んではいけないという約束事が作られ、広がるのにはそう時間はかからなかった。 先生も見て見ぬふりで、家族以外は味方はいなくなった。 やがて近所でも居心地が悪く、逃げるように家を引っ越した。 でも、結局はそこでも足がついて借金に追われる日々。 二人の子供を抱えながらのシングルマザーに、十分なお金を返せるわけがない それに痺れを切らしたのか、ある日家のドアを破壊して入ってきた。 「奥さん、もう待ちきれないんで強行手段を取らせていただきました。」 柄の悪い大人たちが自分たちを囲っている。 「おい、餓鬼泣くのやめんかい!」 「お願いします、子供には手を出さないで」 「うるさいわ!今日用があるんは、そこの餓鬼じゃ」 「えっ」 「お前じゃお前、奥さんに稼いでもらうも中古じゃ金なんかたかが知れている。 餓鬼は売れるからそこでさばいてもええんやけど、それだけだとただの一時金だ。 それなら餓鬼を使ったほうが良い稼ぎが出来んだよ」 「やめて!その子には手を」 母が男にすがり付いたとたん、近くにいたサングラスをかけた別の男が胸から鉄の塊を母の頭に突き付けた。 「頭ぶちぬくぞ」 ママー!! 餓鬼黙らんか!!ぶち抜くぞ お前ら黙らんかぁ!! やめてぇ 悲鳴と怒号が飛び交って耳を思わず塞ぎたくなった 「お母さんと妹を守りたいなら言うことはわかっているよな?」 と案に言われているようなもんだ 自分の好きな人たちが死ぬのを見たい人がいるわけない 「行きます!!!母と妹には手を出さないでください」 やっと、怒号が収まった。 母は涙で顔がくしゃくしゃだ、言葉にならない声で首をぶんぶんとふっている。 その目をまっすぐに見ることはできなかった 「僕を煮るなり焼くなりしてください」 「話の分かる餓鬼やないか、奥さんよかったな、こいつの頭飛ぶ様見なくて」 男はそういって母さんの髪をくしゃりと撫でた 母は目を見開いて泣き崩れた 「ほら餓鬼、付いてきな」 男は俺の腕を引っ張って立たせた 「まって!待ってください」 「春木、これ!これだけ持ってて。私のことは忘れてもいいかから。恨んで良いから。 守れなくてごめん、ごめんねぇ。」 そういって渡されたのは、桜が生まれたときの写真 「ううん、母さん桜を守ってあげて。俺は男の子だし丈夫だから。 また、会えるから。じゃあね」 「春木、春木」 「ばいばい、桜」 目の端に映る泣きじゃくる桜、多分忘れてしまうかもしれない。 でも自分は忘れないから、また会えるなら。 それが出来たらどんなにうれしいことだろう

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