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第5話
車内に連れられて真っ先に気がついたのは、内側から外が見えないようになっていること。
運転席とも隔離されていた
それが漠然と怖くて、奥歯ががちがちと鳴る
「そんなびびんな、まだ食わねぇよ」
ドアはしまったがエンジンの音が聞こえなくて、体が揺られて走り出したのがわかった。
「おじさん、人を食べるの?」
「そういう意味じゃねぇが、まっ餓鬼は知らなくて良い話だよ。
ってことで無駄なおしゃべりはおしまいだ」
「ん?...ふぐ!!?」
ふと急に視界が暗くなって、口を押さえられた
必死に息を吸うと甘いような匂いを感じて、どんどん意識が遠くなった。
だらりと力が抜けたのを確認して男は手を離した
「たく、本当にこの餓鬼金になるんですかぁ?
いっちゃああれですけど、男だし中学生っすよ?
それならあっちのちっこいやつか、母親を」
「だが今回はその枠は埋まっちまってるからな。
たまたま余っていた枠にこいつが選ばれただけだ。
まぁ不細工じゃないし、物わかりも良いから、変態には受けは良いだろうよ。
ま、これが嗜好品くらいの価値だったら良かったけどな」
「というか、少年の奴隷が欲しいっておかしいっすよね。どうせなら未亡人調教したほうがよくないっすか?」
「それが性癖だからな、しかも気に入らなかったら棄てるか交換だ。
粗悪品はだいたい、たいした価値もなく売られてその先には死しかない。
こいつらがどんな思いでいるかも知らずにな。まっ、俺達には関係ない。金だけ貰っていくぞ」
「うぃーす」
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