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第11話

目の前で起きたことを咄嗟に理解できない。 皆が、撃たれたほう又は撃った方どちらかを見ていた。 静寂に包まれたが、青年の砂利を踏む音がそれを破った 彼は倒れている少年に近づくと髪を掴み顔を上げさせた。 どうやらまだ息はあった、どころかぎろりと光る眼光で彼を睨み付けていた。 それを見て彼は感心したように目を丸くする 「へぇ、まだそんな目できるんだ。 外したつもりだったんだけど、耳に当たったみたいだ」 彼の言う通り、左耳から尋常じゃないほどの血が流れ落ちていた。 「殺せ、殺せぇ!」 耳を撃たれても尚彼はそれにククッと喉を鳴らして笑った、それに背筋が凍った。彼はどうやら自分がしたことの恐ろしさに気がついていない。 「...神崎この子医務室に連れて十分な処置してあげて」 「畏まりました」 ずっと控えていたのだろうか、開いたドアからすっと出てきたのは燕尾服を着た中年の男性だった。 彼は撃たれた彼を見ても顔色1つ変えず、真っ先に手当てをした。 「他の子達も風呂に入れて、小汚ないままじゃご奉仕できないからね。俺は一度部屋に戻るよ…あぁ君はもう僕の所へ来てもらうから」 彼はそういって、何事もなかったかのように屋敷に入っていった。 「では、皆さん付いてきなさい。逆らった場合わかりますね」 自分たちは何も言うことなく、屋敷に足を踏み入れた。

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