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第12話
彼の言う通り、確かに僕らはお風呂に入れてもらえた。
温かい湯に浸かりながらも、皆の表情は固い
中にはすすり泣く声や、お母さんと呼ぶ声が聞こえてきて顔を俯かせる。
皆不安なんだ、自分の身に何が起こるのかわからなくて、僕だって…そう言えばさっきの彼の発言はどういう意味なのだろう?
黒く重いモヤが心にかかってぎゅっと目を瞑る
パンパン
「時間です、早く上がりなさい」
先程の執事がそう言うとそそくさと皆湯船から上がった
脱衣場には脱いだ服の代わりなのか、白いワンピースのような洋服が用意されていたが下着が無かった。
「皆さん、それを着たらこちらへいらしてください」
仕方なくそれを着るが明らかにサイズが大きく、肩がずり下がるし下は逆に太ももまでしか隠せず心もとない。
パンツも無いし足がすーすーした
連れてこられたのは、観音開きの扉の前。
「今から数人ずつここに入ってもらいます。では名前を呼んだものから順に入りなさい」
「あ、あの」
「質問は受け付けません、あなたたちは奴隷ですので。無駄なあがきはしないように。それでは、順に白石、根津、白竜、入りなさい」
だが、呼ばれたはずなのに誰も前に出なかった
「私は彼のように甘くはありません。
耳どころか一生口も聞けなくさせてあげましょうか?」
冷たく突き刺すような声に誰かの悲鳴が聞こえて、おずおずと三人の少年が出てきた。
執事は眉ひとつ動かさずに扉に手をかけた。
「では、入りなさい」
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